久しぶりの「矯正」タグの話です。
当院は矯正の専門ではありませんので、「部分的」な矯正しかできません。
矯正の専門の先生も部分的に矯正治療を行うことはありますが、基本的にはすべての歯を対象に(全顎的に)矯正治療を行います。その方が、理想的な歯並びをつくることができるからです。
ただ、全顎的な矯正治療は期間がかかりますし、費用も相応にかかってきます。
専門医でない開業医が行う部分矯正はその両方を縮小することができるのがメリットです。
特に歯周病のある歯を矯正するには、矯正治療によって歯周病が悪化しないように注意する必要があって、一般開業医の方が適していることもあります。
実際の症例です。
歯並びが悪く歯磨きも難しいので、歯周病になってしまいました。
一番悪化している歯を抜いて矯正治療を行いました。
歯周病になってしまっている歯は簡単に動きますので、注意してゆっくりと動かすことが大切です。
歯並びが整いました。歯と歯の間の隙間は増えてしまいました。これは1本抜いて隙間ができたことと、歯並びが良くなって歯ぐきが引き締まったことによるものです。
隙間は増えてしまいましたが、とても磨きやすい歯並びになりました。歯周病の管理もしやすくなります。
こちらも歯周病になっていて歯並びが悪いために磨きにくい状態です。
こちらは歯を抜かないで行うことにしました。
一番傾いていた歯に歯周病がありました。
こちらも歯周病のあったところの歯ぐきが引き締まったことによって、歯と歯の間に隙間ができてしまいました。
詰め物やかぶせ物で隙間を目立たないようにすることもできますが、患者さんの希望により天然のままの状態でいくことになりました。
矯正治療を行った後にそのままでいると、後戻りといってまた歯並びが悪くなってしまいます。
葉の裏に金属を這わして接着剤で止めます。これによって、後戻りしないようにします。
表からは見えません。
歯周病の治療目的の矯正は40歳以降、多くは50代に人が行います。
もちろん見た目を良くすることも大きな目的ですが、歯を長持ちさせることが一番の目的である矯正治療です。
小幡歯科医院