ジュリア・エンダース著「おしゃべりな腸」を読みました。
腸は体の中にありますが、実際には体の外の部分です。
口から食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、そして肛門までは一つのホースのようにつながっていて、食べ物から栄養を取っていらないものを排出します。
この本では胃を含め腸の素晴らしい機能を紹介しています。
腸は神がつくった傑作品です。
今回はその腸の働きではなく、腸の中にいる細菌にスポットを当てます。
腸の中には100兆もの細菌が住んでいます。人間の細胞が60兆といわれていますから、細胞よりも多い細菌をお腹の中に「飼っている」ことになります。
さて、実際は腸は「体の外」ですから、飼っているというよりも「よそ者に働いてもらって、必要なものを受け取る」という状態です。
ただ、人間と細菌は太古の歴史から完全な共存関係にあり、「持ちつ持たれつ」の関係です。
体にいい仕事をする細菌を善玉、体に悪い仕事をする細菌を悪玉と呼んでいますが、実際は善悪ではなく体に入ってきたものに対してそれぞれが必要な仕事をした結果なのです。
体に悪い食べ物が入れば、悪玉菌が活躍して下痢を起こしたり臭いガスを発生させたりします。
悪玉菌が悪いのではなく、悪玉菌が仕事をしなければならないような食べ物を腸に入れることが悪いのです。
悪玉菌が仕事をすることなく、善玉菌が働くような食事をすることが大切です。
人間は細菌に住む場所と食べ物を提供し、細菌はそのお礼として難しい仕事を引き受けてくれているのです。
腸の研究は始まったばかりの段階です。
これからもどんどん新しい知見が出てくるでしょう。
その人の健康は腸が握っている、という側面があるのです。