啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「モズ」(雌)

2011-12-18 10:18:29 | 野鳥

♪「百舌が枯れ木で鳴いている・・」というような詩があったと思うが、昨日庭の沈丁花を切っていると目の前にモズが現れ、不思議に思うほど逃げようとしなかった。カメラを取りに行って戻るまで、あっちを見たりこっちを見たりとウロウロしていた。最接近したときは3メートルほど。年に何回かは、思いがけず至近距離に小鳥が現れることがあるが、大概がカメラを持っていないときでチャンスを逃してしまう。今回は上手く行き、まずまずの写真が撮れた。

「モズ」はモズ科モズ属。体長は20センチ弱。当家の周辺をテリトリーとするヒヨドリのペアとモズがいることは知っていた。今年は柿の実、リンゴとも実が少なく人間が食べてしまったので、鳥の分は無い。それでもテリトリーを離れないようだ。大きくなりすぎて伐採した夏グミの木の棘には、モズの生態で有名な「はやにえ」(小動物を確保しておく行為)のバッタが突き刺さっていた。

雄は胸の辺りにオレンジ系の色が入っており、もう少し派手。淡褐色に薄い縞模様が入っており写真の個体はメスのようだ。ポッチャリ形?では無いか。モズ類は肉食系だというが、鉤状の嘴が鋭い。“百舌”と漢字で書くが、ウグイスやセグロセキレイなど他の鳥の真似を小声でするのが理由だと言う。

※いよいよ野鳥のシーズンに入ってきた。カメラを“野鳥モード”にしたいのだがなかなか上手くいかない。今、撮れているのは田んぼの中にボケッと突っ立っているアオサギと白鷺のみ。20倍ズームのポケットデジカメはなかなかピントを合わせてくれない。

「トキワハゼ」

2011-12-17 09:54:15 | 山野草

今日の予定はノゲシの仲間“ハチジョウナ”にしようと思っていた。ネットで調べると何だか、様子が異なる。所有の図鑑で見ると、将にハチジョウナの姿をしているのだが、ネットの画像を見ると葉の形が大きく異なっている。しかも、海岸沿いに自生していると言うので・・・・間違っていたようだ。急遽ーーー変更!!

「トキワハゼ」はゴマノハグサ科サギゴケ属の1年草。花期は長く早春から晩春まで、と言うから1年中咲いている。草丈は5-15センチ程の小さな草。畑や道端葉もとよりコンクリートの隙間からしぶとく枝を伸ばし花を咲かせているのを見る。

和名は常盤爆。葉は常にあって(常葉)、種子がハゼると言う意味のようだ。花の時期が長く、いつでも咲いていると言う解説もあった。葉はスプーン形で浅いノコギリ状の切れ込みがある。花は筒状で唇形の下側が突き出している。色は薄い紫色で、白っぽく見えることもある。

トキワハゼの和名(漢字表記)で、図鑑とネット上の書き込み(ウィキペディア)の違いを見つけた。ウィキペディアではトキワ=常。素有する図鑑ではトキワ=常となっている。また、ウィキペディアでは1年草となっているが、図鑑では多年草(または2年草)。どちらかが間違っているのだろうか?それとも説が分かれるのか?私には判らないが1年で枯れてしまうように見えるので1年草とした。

「アキノノゲシ」

2011-12-16 08:34:19 | 山野草

月食?月蝕?どちらが正解?!先日の当ブログを自分で見てドキッとした。“皆既月食”の「食」が間違っているのでは・・・ないか。ネットで少し調べたが判らず、面倒になってそのまま。夜にカミさんに“月食OR月蝕”と聞いてみた。答えは「辞書を引いたら!!」の一言。それでも辞書を引かないのが私の気にしない?性格。ついでに「今週は(当ブログへの)訪問が増えている」と言ったら“どこかの学校で、誤字脱字チェックの教材にしているのでは!”と強烈な一言でした。先程、旺文社の国語辞典で調べると“蝕”のほうは当用漢字表にのっていない漢字”ということでした。今、調べたてです。

「アキノノゲシ」はキク科アキノノゲシ属の1年草または2年草。春に咲くノゲシ(秋まで花期は長い)に対し、8-10月に花を咲かせる秋のノゲシということで名が付いている。草丈は50-200センチほどと高い。花は舌状花で花径は2センチほど。道端や草むらにヒョロヒョロと咲いている。良く表現するとオニノゲシやノゲシに比べ静かで繊細な感じだが、地味で目立たない。

写真を撮った場所は忘れてしまったが、高崎自然歩道の結婚の森(今は市民の森?名が変わっている)か山の上の碑の上り口辺りのどちらか。ただの雑草についても花言葉があるのだそうで、それは“控えめな人”。白に近い、淡い黄色の花のイメージからだろうか。

「オニノゲシ」

2011-12-15 07:54:22 | 山野草

「オニノゲシ」はキク科ノゲシ属の越年草。ヨーロッパ原産の帰化植物だと言うが、世界中にあり、道端や畑などあちこちで見かける。花期は“春から晩秋”と図鑑に書いてあったが、年中咲いていると言うことなのだろう。近辺では、10-11月に見ることが多いような気がするが。

似た花にノゲシがあり、なかなか見分けが付かない。図鑑やネットで調べると①葉の付け根が尖っているのがノゲシで、丸く茎を包んでいるのがオニノゲシ②葉の先に棘があり触ると痛いのがオニノゲシ③葉に光沢があるのがオニノゲシ④オニの方が大きいーーーなど。

ケシの名が入っているが、全く関係がない。柔らかい頃にはおひたしなどで食べることができるという。仲間にはノゲシのほか、ヒナノゲシ、ハチジョウナなどあえる。ノゲシの他は写真があったので、明日から掲載してみよう。

「兄倉山」と野鳥

2011-12-14 08:43:53 | 里山

里山歩きのシーズンに入ったようだ。群馬県西部の下仁田町の町外れにある兄倉山の登山口となるホタル山(公園)に通じる道路が凍っていた。谷川、浅間など高い山、県境の山々は雪に覆われ輝いて見える。野鳥を探しながらゆったりと里山を歩く・・お昼に食べるカップ麺と熱いコーヒーが美味しくなる。

「兄倉山」(576メートル)は「私が登った群馬300山」(横田昭二著)に他の2山とコースで掲載されていた山の一つ。昨年、友人達と泊まった温泉旅館“清流荘”の庭から見上げ、道があったら登ってみたいと思ったところ。登り口となるホタル山の公園に続く道路は凍っており“こんな場所でも凍っている。スタッドレスに履き替えないと山道は危険”と思いながら駐車場に付いた。準備をして歩き出すと、ツルツル滑る。

イルミネーションで演出された公園の入り口にある登山口から登り始める。乾燥していることに加え、風が当たらないのか判らないが、登山道は全く凍っておらず霜もない。登り始めて直ぐの小さな社、途中に幾つも小さな石像が祀られていた。信仰の山なのだろう。適度な登りをゆっくりと進み、汗ばんできた頃には尾根に出て、間もなく頂上だった。

歩き(登り30分)足りなかったが、近くに稲含山、四つ又・鹿岳、下仁田町の中心部など展望の良さと好天気に満足。

降りて公園で食事。物足りなかったので大山(857メートル)の登山口を探したが見つからない。7-8戸の高倉集落では人影が無く、駐車をするスペースも見当たらず断念。

高倉の集落へ向かう途中、車の前に飛び出してきたのが「キセキレイ」。車を止めてザックからカメラを出したときには距離が開いていたが、何とか捉えることができた。今一枚は兄倉山の山頂で撮った写真。ジョービタキ?など調べてみたが鳥が小さすぎて・・・不明。


「ノボロギク」

2011-12-13 08:26:34 | 山野草

「ノボロギク」はキク科シオン属の越年草または1年草。花期が“春ー冬”と図鑑に載っていたが、1年中咲いていると言うことだろう。耕作されていない田畑、道端などこの辺ではどこにでも咲いている。年中咲いていると言うことだが、藤岡市の近辺では最盛期が11月だと思う。今、散歩道では花の季節が終わり、白い綿毛を飛ばしている。

花の名は野に生えるボロギクということによる。ボロギクとはサワギクのことと書いてある。今年の夏、上高地でサワギクを見つけブログでも掲載したが、スマートで背も高く、ボロギクとは似ていないような気がするが・・。別名でオキュウグサと呼ぶ地方もあるそうだが、お灸に使うのではなく、花の形をお灸に見立てたもののようだ。

明治初期にヨーロッパから入ってきた植物のようだが、年中花を咲かせるだけでなく、日本中に咲くそうだ。寒帯から亜熱帯にかけ世界中で咲いているという。今度旅行に出かけたら探してみよう。

「スカシタゴボウ」

2011-12-12 08:41:56 | 山野草

ブログを書き込みながら思う。春の花が今咲いていると“季節が狂っているのではないか・・”と。だが待てよ、1昨年の春までは曲がりなりにも忙しく、じっくりと野や山や植物を眺めているのは今年に入ってから。比較できるほどに、見つめていなかったのではないかと・・。「知ったかぶりするな」と言われそう。まっ・・ガイド本、論文でもないし・・・。

「スカシタゴボウ」はアブラナ科イヌカラシ属の1年草。田んぼの中や畦道、畑のくろや庭の片隅などどこにでも咲いている。先月中旬に畦道沿いの散歩道に咲いていた。どこかで見かけた花だが、名前が特定できない。そのままになっていた。草丈は3,40センチ。

和名を「透田牛蒡」と表すというが、理由が判らないのだと言う。牛蒡というが食用にするような根茎はない。田んぼを透かし見るように葉は薄くない。何なんだ。

似た植物にイヌガラシがあるという。似たような種でナズナとイヌナズナは形がそっくりだが、花の色が違うので私でも判断が付く。ネット上の画像で見ると、スカシタとイヌガラシは良く似ている。見分け方も書き込まれており「葉の切れ込み」「種子を包む鞘」の様子。切れ込みが深く多いのがスカシタだそうだ。ただし、変化が多く簡単には見分けられないという。種子を包む鞘は短胴なのがスカシタで細長いのがイヌガラシ。良く見てみよう。私も、イヌガラシを探して見ることにする。

「イヌホオズキ」

2011-12-11 08:57:38 | 山野草

昨晩、皆既月食の写真を撮ろうと思って頑張ったが、失敗に終わってしまった。3脚を使わないとブレてしまうし、3脚へのカメラの固定さえ悩んででしまう状態。ましてや、夜間の撮影など“マニュアル”を片手の対応。メカ音痴極まれりと言った状態でした。トホホッ!今日からは、散歩道や山行の際に撮った写真で、掲載していないものを順次。なるべく季節に沿ったものをと考えていますが、数が不足しており、夏場のものも!!!?

「イヌホオズキ」はナス科ナス属の多年草。霜が降りても道端や田のクロ、草むらなどに咲いている。草丈は20-60センチほど。葉は先が細った楕円形で、ノコギリ状のくびれがある。花期は夏ー秋と図鑑に示されているが、この辺では今の時期でも珍しくない。小さい時の実はトマトに似た緑色で、熟すと黒くなる。花径は7-8ミリほどで小さく、花の色は白く見えるものが多いが、薄い紫が入ったものもあるようだ。写真の個体では、紫がかっている。

別名を“バカナス”と言うそうだ。ホオズキやナスに似ているが食べられず役に立たないことから犬の名が冠された。“お犬様が全盛の時代”だが、植物の世界で“イヌ”を頂くとろくなことが無いことが多い。しかも、毒草なのだそうだ。私にとっては、花の少ない時期に咲いてくれる小さな可愛い花だが・・。

「イチイ」

2011-12-10 08:55:49 | 山野草

実家の生垣に手を入れていると真っ赤な実をつけたイチイの木があった。恥ずかしながら、モミの木だと思っていた。調べて見るとモミはマツ科、イチイはイチイ科とかなり違い、モミに赤い実はつかないようだ。大分前に水ノ塔山で、説明好きな小父さんにトウヒ、ツガ、ハイマツ、カラマツ、モミなど見分け方を教えていただいたことがあったが、さっぱり判らなかった。

「イチイ」はイチイ科の常緑針葉樹。別名をアララギという。伊藤左千夫、斉藤茂吉などで知られる“アララギ派”との関係は判らない???太く、高く育ち成長すると高さが20メートル以上、幹の太さも50センチ以上になる。一方で、成長が遅く耐寒性があり、日陰に耐え、刈り込みに強いことから北を中心に庭木や生垣に使われる。工芸品に加工されたり、机の天板や鉛筆材、弓の材料など用途は多いようだ。

聖徳太子など高官がが両手で持ち、お腹の辺りで支えている先端を丸く削った板状のモノを「笏(シャク)」と呼ぶそうだが、その材としたことから冠位の「正一位」にちなみイチイの名になったとか。

赤い実はそのまま食べられる。焼酎に漬けて果実酒にもなる。ただ、黒い種子の部分や木にはタキシンと呼ぶアルカロイドが含まれ、食べられない。

「ツルリンドウ」の赤紫の実

2011-12-09 09:10:20 | 山野草

濃い緑の葉、8-10月に咲く淡い青紫の花、晩秋の野で目立つ赤紫の実。ツルリンドウは私の好きな花の一つ。年に3回も楽しめると言うことに加え、群生することも無くひっそりと登山道脇にはえているのを見ると何だか癒される。

「ツルリンドウ」はリンドウ科のツル性多年草。中低山の登山道脇、半日陰げの林の縁などで地面を這ったり、草木に絡まったりしているのを見かける。ツルは長くは伸びず40-80センチ程度。春にロゼット形の根生葉からツル状の芽を出し、濃い緑の対生する葉をつける。花は8-10月で釣鐘型の先が五裂する。花だけ見れば、春に咲く各種のリンドウと殆ど変わらない、リンドウらしい花。淡い紫の色が好ましい。緑色がかった色合いに見える事もある。周囲の草が枯れる頃に、一際目立つ赤紫の実を付けるのもおもしろい。

写真はトキの島の里山で撮ったもの。接写したものより、枯れた野を背景にしたものが私好み。ちょっと目立たないものになってしまったかも。大分前のことだが、トキの島から持ち帰り自宅の庭に植えたことがある。立派に伸びていっぱい花を咲かせてくれたが、赤い実は何故か付けなかった。いつの間にか消滅していた。1昨年にも持ち帰ったのだが、花もつけずに瀕死の状態。来春、濃い緑の葉を見せてくれることを期待している。