子供の頃、学校が冬休みになる前の初雪が降る頃。林の中に野生の柿と梨の木がある場所を知っており、食べに寄った。実が小さく、美味しいものではないが、冷たく甘い感触が残っているような気がする。今の時期、庭や畑の片隅で放置されたままになっているものを多く見かける。「木守り柿」「残し柿」という言葉があるが、こちらは来年の豊作を祈ったり、鳥のために1個(数個)残すーーなどの意味があるのだろう。
「カキノキ」はカキノキ科の落葉高木。古代に中国から食用として入ってきたという。また、ヨーロッパやアメリカなどには日本から伝えており、そのため学名もKakiとなっているのだと言う。柿は“実”のことを指すのだそうだ。
高崎自然歩道の寺尾城址に通じる山の中。大きな実でも直径が2センチ弱。“野生の柿”を見つけたと喜んだ。城跡とすれば・・平安の頃にお城で柿を栽培していたのかもしれないが、見る限りでは植栽されたものでなく、沢筋の雑木に混じり自生している。まだ、木が小さい。中国から持ち込まれた頃の“原型”に近いのではなかろうか。
人との係わり合いは深く、トキの島の実家では「おけさ柿」を出荷している。甘柿、渋抜きした柿は果物として食べ、干し柿やお菓子などにも加工される。木(幹)は堅い材質から家具などに加工される他、ゴルフのクラブは“パーシモン”と定評がある。近年では若葉をお茶葉として加工するそうだ。