カエデやケヤキの若葉にすがすがしい風が吹き渡る。 今日から風薫る５月のスタート！
「五月来ぬ心ひらけし五月来ぬ」（星野立子）。 今年も新緑の生命力に癒される美しい
季節がめぐってきた。 心ひらけし、とは陰りのない、真っすぐな言葉だという。
晴れ晴れとした気持ちがひしひしと伝わってくる・・。
そういえば、去年の今時分、何をしていたのか？ 覚えておられる方は多いハズだ。
平成の３０年余りの時代が終わり、５月１日から令和に元号が改まった。
東京・渋谷のスクランブル交差点には、雨がそぼ降るなか、改元カウントダウンで盛り
上がる人波が寄せた。 ネット上の動画を見ると、ハチ公前は身動きができないほど
の密集だったのがよく分かる。
恐ろしい！！。と、感じてしまうのは、すっかり巣ごもり暮らしになじんだせいか。
去年は１０連休だったこともあったせいか、２４００万人以上が皆さんが帰省や国内外
の旅行を楽しんでいた。 昭和から平成の代替わり当時の重苦しい自粛ムードなどは
みじんもなかった。 思い思いに休日を楽しんでいた。 皆さんはいかがでしたか。
わずか１年前のことだが、はるか昔のように感じられてならない・・。
立子の父は俳壇の巨頭、"高浜虚子"です。 春が尽きる初夏を迎えるとこの時期の句が
ある。 「春惜（おし）む命 惜むに異（ことな）らず」。 晩年の作だという。
父と娘の感性の違いが際立っていて興味深いものがある。 出会いと別れを繰り返した
春を懐かしんでいると、命のはかなさを感じてしまう。 そんな境地かな～・・。
今の私たちの胸に響くのは、虚子の一句かもしれませんな！
このような難しい句もあれば、女優"森光子さん"が、昔テレビドラマの東芝日曜劇場で
「天国の父ちゃんこんにちわ！」のなかでのセリフ、"こんちわ パンツ屋ですぅ"と
亡き主人のプロポーズ言葉が今の時期を表していてピッタリで大好きなセリフです。
《貧しいから、あなたに差し上げられるものといったら、柔らかな五月の風と
精一杯愛する心だけです。 でも、結婚してくれますネ》