「良い韓国人も、悪い韓国人も、どちらも殺せ」などというブラカード
を掲げてデモするテレビ報道を見て、胸が痛んだ。ヘイトスピーチとは、
特定の国や民族や人種に対して、差別や憎しみなどをあおったりする言
動のことをいう。
しかし、上記のような「殺せ」というような文言を掲げてデモするのは「
滅亡への道」である。今や鉄砲、大砲、空爆という太平洋戦争の時代で
はない。ミサイルの時代である。また、無人機攻撃の時代にすでになって
いる。仮定の話しであるが、「日本と韓国が全面戦争になった場合、ミサ
イル戦争になるのは間違いない。その場合、核ミサイルや細菌兵器など
も使われるかもしれない。おそらく、ありとあらゆる兵器が使用されるだろ
う」。
このように考えると、日本も韓国も両方ともに滅亡するのは間違いない
と思われる。さらに、近隣諸国が韓国に見方した場合、日本の滅亡は早ま
るだけであろう。このようにヘイトスピーチは滅亡への道といえよう。
第二次世界大戦の後、大きな犠牲の代償として世界は民主主義を手に
入れた。今や、どんな国でも隣国を侵略して支配することはできない世界体
制となっているのである。世界が黙っていないからである。すなわち、憲法を
改正して軍国主義を復活しても、何の意味もないことを知るべきである。
今やマルチメディアの時代である。日本のヘイトスピーチ・デモは、韓国で
も報道されているはずである。その影響が心配される。また、米国も黙ってい
ないだろう。日本と韓国が不仲になれば、一番困るのは米国だからである。
また、世界中から日本のヘイトスピーチ・デモは批判されるだろう。このような
状況は日本にとって何の得策とはならない。経済的なマイナス面も心配であ
る。ヨーロッパなどではヘイトスピーチは禁じられ、制限されている国もある。
世界中から日本たたきにあう前に早急に制限するべきだと考える。
故笹川良一氏は「人類みな兄弟」のようなことを云っていたのを思い出した。
その通りである。韓国や中国の寺院めぐりに何度も行ったが、建築、陶器など
の文化面での高さは日本と大差ない素晴らしいものである。むしろ日本の師と
いえよう。いかなる国、人種、民族とも共存する世界体制にすでになっているこ
とを認識すべきである。
ヘイトスピーチは、日本のような文化国、文明国の人々のすることではない。
断じて許されないことである。
ブッダの生きていた当時、「人を殺すのは悪ではない」と説く宗教があっ
た。「この世で切るも殺すも悪を認めない」、「この地上の生き物すべてを一
つの肉団となそうとも悪の報いくることもない」と主張する六師外道の一派が
あった。その思想に疑問を抱いてブッダは出家した。「善」を求めて出家した
したのである。ブッダの悟りの第一は、「人を殺すな」という結論だった。いか
なる宗教、思想、民族、人種であっても「殺してはならぬ」ということである。
また、ある教育評論家といわれる人が、学校で「人を殺すな」ということを
教えることはできない、と主張しているテレビを見たことがある。これも納得で
きないことである。
また、ヘイトスピーチ・デモをする人々は何らかの理由があるのであろう。
しかし、「殺せ」という主張は止めていただけないものであろうか。