岡山市議会議員/おにきのぞみの虹色通信

〈いのち・みどり・平和〉を大切にする
 政治や暮らしをつくっていきたい。

12月1日-2 「チェルノブイリから29年 ~ 失われた繋がりを取り戻すために ~」。ウクライナから被災者支援をしておられる女性2人がこられました

2015-12-01 | おにき日記





 夜には、「チェルノブイリから29年 ~ 失われた繋がりを取り戻すために ~ 」。京山公民館主催の東日本大震災関連講座「今、私たちができること」国際編です。
 ウクライナのキエフから、チェルノブイリ被災者支援をしておられる二人の女性、クラシッカさん(左から2番目)とベスバーロヴァさんが岡山にきてくださいました。お二人とも、ご自身が被災をしながら、被災者支援の活動をずっとしていらっしゃいます。

 クラシッカさんは、チェルノブイリ障害者市民団体「ゼムリャキ(同郷人)」代表です。汚染地域の元プリピャチ市から避難された住民たちで設立されています。多くのニーズや課題があるが、時間の経過とともに、被災者の皆さんの健康状態が悪化しているので、医療プログラムが中心になっていると言われました。岡山にくる前は福島にも訪問をされ、汚染地域への帰還の状況もみておられました。「放射線の被害は何代も続くのでよく考えてほしい」と。孤独に陥らないよう自分を取り戻し、前向きにやれるようにプログラムを行っている。絵画コンクールやコンサートなど楽しい催しも多いようです。

 ベスバーロヴァさんは、キエフの病院で、チェルノブイリ被災児童を担当するセクションの主任医師です。30年にわたって、被災児童の診療にあたってこられ、小児甲状腺ガンや悪性腫瘍の件数などをあげて説明をされました。時の流れとともに、慢性疾患がふえ、消化器系統や精神・神経系統、免疫系にも影響が生じていると言われました。被災者の子どもも被災児童のカテゴリーに入り、健康診断が行われている。年に一度の保養を行うと法律では定められているが、国の経済事情で困難が生じてきていると言われました。

 ゼムリャキには日本の市民団体との連携や支援があり、ヨーガ療法のレッスンもあるようです。いただいたリーフレットには子ども支援の写真もありました。30年経っても子ども支援が必要ということです。
 お二人からありのままの現実を学び、熱心な取り組みと姿勢・口調に、いつまでも興奮は収まりません。お二人は、子どもの健康の話しを、参加された皆さんが実に真剣にきいてくださっていたと言われていました。福島原発事故から30年というと私は80歳です。お二人の活動のモチベーションは、目の前に課題が次々とあるからということ。今ある、また生じてくる課題や問題をつかみ、お二人のように朗らかに人間関係を育みながら前向きな取り組みに知恵を絞りたいです。そのためには、80歳の健康体の私もあわせてめざします。

 なお、通訳は竹内高明さん(左)で、岡山市出身の方です。チェルノブイリ事故後、ウクライナ滞在も含めてずっと現状をキャッチし、支援活動団体と連携をもってこられました。顔と顔のみえるなかで信頼関係が築かれ、こうして私達もつながり、学ぶことができ、心から敬意と感謝でいっぱいです。




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12月1日 フィンランドのネウボラ(子育て支援) 

2015-12-01 | おにき日記





 国際的なつながりと学びが、私たちの暮らしをより安心に豊かにする。このことを実感した、心に感動と涙あふれる一日でした。
 午後からは、〝フィンランドのネウボラ(子育て支援制度)〟、夜には、〝チェルノブイリから29年を経て〟の学びでした。議会中なのでキツイとはわかっていましたが、なにせ先方のある話で日程変更はきかず、周りの皆さんもご一緒にですので、関わらせていただきました。素晴らしい時間でした。
 実はネウボラの方は、フィンランドからこられる予定のハクリネンさん(フィンランドのネウボラ責任者)が体調不良で来日が延期され、高橋陸子さん(吉備国際大学教員)が基調講演をされました。その副題が、「対話と信頼から安心へ」。二つのイベントに共通するテーマです。



 「妊娠・出産・子育てにやさしい社会をつくろう! ~ フィンランドのネウボラに学ぶ ~ 」。パネラーと進行メンバーです。最高のメンバーだったと、セミナーを終えてしみじみ感じています。セミナーが終わってから、参加者の皆さん、たち去ろうとしないのです^^。

 基調講演の高橋陸子さん(私の横)の話は、「ネウボラのエッセンス ~ 対話と信頼から安心へ ~」。まさに利用者中心のひとつながりの出産・子育て支援の仕組みが、空気のように行き渡っているのがフィンランドです。高橋さんは子育て中、子ども中心のフィンランドから飛行機で日本に向かい、日本の空港に降り立ったとたん、緊張したそうです。子どもの声は当たり前のフィンランドから、「さわいではだめよ」の日本社会の空気。私はこんな高橋さんご自身の子育て経験をもとにしたお話が大好きです。
 この度、「ネウボラ フィンランドの出産・子育て支援」(かもがわ出版)という本を出されましたので、おすすめします。長い時間をかけてフィンランドはここまできたそうですので、日本も方向を間違えないで舵取りを進めたいですね。ネウボラは出生率をあげるためではなく、やさしい社会をつくるためで、虐待児童数が減っていっているそうです。また、一人ひとりに寄り添うので、多様な性のカップルも然りだと言われていました。

 シンポジウムのパネラーは、塚本恵弥さん(助産師。中央)と柴川弘子さん(母親・ESDコーディネーター。左端)です。

 塚本さんはブータンでの助産師経験があり、ブータンでの出産・子育ての写真をみせてくださいました。生まれたばかりのベビーをベットの上でカンガルー抱っこするお父さんの横でお母さんが洗濯物をたたんでいます。父親も家族も育児参加は当たり前というのがブータン社会。この一枚の写真をみただけで、衝撃の私でした。みんな妊娠・出産などにビクビクしていない。日常的に周りにいるので経験的に学び、みんなで分かち合う安心感があるようです。

 柴川さんは1歳のベビーのお母さん。里帰り出産をすると夫との間で育児スタートにギャップができるのではと、シンドイかもしれないけどあえて里帰り出産をしなかったそうです。育児の喜びも共有できてよかったと。また、自分の経験として、知らないことが多すぎて、話を聞くときには受け身状態でお客さんになってしまった。誰でも当事者であることを想定したプログラム作りが学校教育でも社会教育でも必要だとおっしゃって、まさにと思いました。

 お二人は、26日に行ったプレ・ワークショップの報告もしてくださいました。総じての私の印象は、出産・子育てにあたってお母さんは(お父さんは言うまでもなく)情報も関わりも受け身。しゃべりたいことはたくさんあるので、思いを分かち合って、病院、行政、地域、家族の皆さんたちと〝共育〟をしていく工夫が必要だと思いました。〝ネウボラ〟のエッセンスが生かされた仕組みをつくっていきたいです。



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