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食パンとマーガリン


人にも、よるのだろうけど…、
一人暮らしが長くなり使わなくなったものがある。
その1つが、トースター。
これは、食パンを食べない人間には、あまり意味がない。
いつもの朝、目覚まし時計に起こされて、
寝ぼけまなこで、薬缶(やかん)やらフライパンを火にかけていく。
朝食だけでなく、アタフタと準備しながら出社したもの…。
駅前で、ガスコンロを消し忘れていないか?…と、
急に不安になったことが、数回あり。
(今、考えれば、かなりのストレスを抱えていたこともあるけど…。)
以来、朝食時において、火を使うことはなく。
朝食のボリュームが失せたことから、パンを食べることはあっても、
食パンより、ボリュームのある惣菜パンばかりとなっていった。
そして、トースターを使うこともなくなっていった。



ちょっとした気まぐれだったのかな。
この日は、いつもなら買うこともない食パンを一斤と、
ついでにマーガリンを買っていた。
一般的に、食パンには6枚切りと、8枚切りとの2種類があり。
厚みのある6枚切りを選んでいた。
次の日は、休日だったことから、
朝、フライパンと薬缶を火にかけながら、
食パンを1枚、焼いてみることにした。
台所には、電子レンジとトースターの機能があるトースターレンジが、
あったけど。
ガスコンロに付随しているグリルを用いることにした。
厚みのある6枚切りの食パンを、包丁で、半分に切ってから、焼いていく。
適当なところで裏返した。
火力があるだけに、気をつけないと炭(すみ)になってしまう。
ちょうどいいかな。
マーガリンを塗って、食べてみる。
マーガリンは、その昔、バターが足りなくなったことで、
生まれたものだと聞いたことがあり。
パンを食べるとき以外には、あまり使うことはなく。
買うこともなくなっていた。
それを久しぶりに食べたといっても、別にびっくりするものもなかった。
もう1枚、パンを焼いてから、外出することにした。
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