The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1985年 コルトン トロ・ボー

2012-01-24 04:51:16 | ワイン
今回の唯一のブルゴーニュ・ピノノワールは、ヴィンテージ『1985年』という『偉大な年』のもの!
しかも『コート・ド・ボーヌ』唯一のグラン・クリュ赤であります『コルトン』で、
造り手は1880年から続く『ショレイ・レ・ボーヌ』の『ドメーヌ・トロ・ボー』、
もちろんクラシックな造りを信条としているようです。

さて確かに『偉大な年』ではあるけれど、意外に早くから熟成感を漂わせていた『1985年』ですが、
このワインに限っては、今がちょうど熟成の高原部を駆け抜けているところのようです。

ブルゴーニュのグラン・クリュとしての品格と姿勢は崩さずに、
熟成による煌びやかな装飾を纏いつつ、グラスの中で目まぐるしいメタモルフォーゼを見せてくれる!

そんな『コルトン』ではありました!



まずはこの色合いを見てください↓



27年の歳月を経て、なおこの濃密なルビー色を保っているんですね!
もちろんエッジにはアンバーな縁取りがあって、灯りを当てますと外縁は正しくオレンジ色♪

涼しげな乾燥ハーヴに微かなミントを帯びながら、
ミネラルをしっかりと抽出したかのようなトップノーズ!

続いて僅かに鉄分を感じる大地の香気があって、程なく立ち上がるスー・ボワに心が高ぶります!
奥底に潜む熟成のアロマには、セミドライのプラムにレッドカラントのジャムを感じつつ、
正に香りにおいては、爛熟のエロスと厳格な抑制が表裏一体となっています。

しばらくして、一口味わってみますと、やはり肉厚な果実味と堅牢な骨組みとの両面を意識し、
わずかに酸度の低さと厳然さの中にも外向性を見つけられ、
なるほど、これぞ『コルトン』と、そっと胸を撫で下ろす・・・

丁か半か?の『85’コルトン』でしたのですが、実に美味しくいただけました!