The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

ワインの事は大地に聞け!

2006-05-05 15:01:19 | ワイン
孤高の貴族、偏屈者、頑固者、葡萄畑の王者、などなど・・・
ヴァレンティーニには人を寄せ付けないオーラがあったのでしょう・・・

事実、ロレート・アプルッティーノの街の人々は、彼をドットーレと呼び、畏敬の念を抱いていた様であります。
実際は年は70歳代の初め、ごま塩髭とロマンス・グレーの、鼈甲の眼鏡からは眼差しの優しい、小柄な紳士・・・という感じでしょうか?

写真を嫌い、写真を撮るなら取材を拒否するという主義を貫き、ワインの哲学を語れば、徹底的に議論に応じるというスタンス・・・

生きているうちに、会う事は叶わなくても、動いて語るヴァレンティーニを見たいと思うのは私だけでしょうか・・・

貴重な畑の中のヴァレンティーニの写真をどうぞ!

続報ヴァレンティーニ!

2006-05-05 09:04:04 | ワイン
わたくしが初めてヴァレンティーニのボトルを見たのは、広尾のナショナル・麻布・スーパーのワイン・コーナーでの事でした。

もう、10年ほど前になると思います・・・

もちろん、トレビアーノ・ダブルッツォであります。
ヴィンテージは92’か93’・・・

ヴァレンティーニで造られるワインは、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ・チェラスオーロ、トレッビアーノ・ダブルッツォの赤、ロゼ、白の三種類のみであります。
それぞれが地場の品種から造られ、通常ならせいぜい2000円前後の代物・・・
こうした品種から、イタリアを代表するような、神懸り的なワインを造り上げてしまう所にヴァレンティーニの凄まじさがあります。

『ワインの事は大地に聞け!』これがエドワルド・ヴァレンティーニの口癖との事・・・
城壁都市ロレート・アプルティーノの孤高のワイン貴族は今はもういません!

エドワルド・ヴァレンティーニ死す!

2006-05-05 06:42:12 | ワイン
アブルッツォ州の『奇跡の神品』を産んだ、エドワルド・ヴァレンティーニ氏が亡くなったとの一報が昨晩入りました。

前回『イタリアン・スペシャル・ナイト』にてやっと飲む事が出来た、神品95’モンテプルチアーノ・ダブルッツォの味わいを忘れる事が出来ません!

濃厚なガーネット色、かすかなビターチョコの香り・・・
プルーンやブラック・チェリーのアローマは、この世の物とは思えないほどの複雑な香りに包まれて・・・
並ではないタンニンではあるけれど、絡み付く渋みはなく、むしろ球体のまろやかさが伴います。
驚愕の集中性、精緻な力感、そして崇高な品格・・・
何処から見ても隙がありません!

こんなワインをピエモンテでもトスカーナでもない、アブルッツォ州で造り上げた事・・・更には95’という比較的小さなヴィンテージである事・・・
を考え合わせれば、彼がいかに凄い造り手であることは、容易に推測できるはずであります。

とにかく残念と言うしかありません!
本当に珍しい、在りし日のヴァレンティーニのテースティングをする姿の写真を添えて・・・合掌・・・