普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

首相の公式の意見を直接聞きたい

2010-07-21 12:03:58 | 情報、マスコミ

 最近のテレビで首相はもっと自分の考え、特に日本のあるべき国家像など、国民に訴えるべきだと言う識者の話を良く聞きます。
 私も全く同じ意見です。
[首相の意見が国民に届いているのか]
 然し問題はその意見の発表の場です。
 記者会見の場での発表:首相の意見の発表の後の記者の質問にへの答弁、そしてその要旨または全文が新聞に出ます。
 これには問題があります。
・その新聞の報道を見る人は余程政治に関心のある人に限られている、せいぜい新聞のトップか2面での紹介記事しか見ません。
・国民の多くの情報源はテレビですが、テレビ局の方針に添って「編集」されその一部しか見られません。
・質問した記者のの指名は政府の官房長官などによりますので、政府の気に入らない例えば民主党政権のときは、産経新聞への指名は少なくなるか、全くないこともありそうです。
 だから記者の方もつい遠慮した質問になりがちで、結果的には首相の意見に反する考え方は余り報道されないことになります。
・ぶら下がり会見などの記者の取材による発言の放送または新聞報道
 その結果は鳩山さんの「国外、すくなくとも県外」から「学べば学ぶほど」発言に見るようにとうとう国の進む方向を誤らせてしました。
 菅さんの消費税増税発言で選挙の争点を惚けさせてしまいました。 (マスコミによれば普天間問題を隠す菅さんの作戦だと言う人もいますが。)
 何れにしてもこの報道で普天間問題を硬直状態にさせ、参院選で国民の政権選択の方向を見えなくさせてしまいました。
 鳩山さん、菅さんの発言に対する報道の姿勢は日本のために少なくとも余り適切ではないと思います。

[私の提案]
 そこで提案です。
1.新総理が誕生してその考えが固まったら(例えば1カ月後に)、または鳩山さんの普天間問題や菅さんの消費税増税発言などの大きな問題が発生したとき、首相会見を行う
2.出席者は司会者、首相の他に、野党側代表または、政府、野党側支持する論客または中立の人(たかじんのそこまで言って委員会で言えば、田嶋陽子さんを除いてレギュラーは少し右寄り(と言われている)なので鳥越さんなど民主党支持の論客を入れてバランスを取る。)
3.例えば1時間番組としたとき、20~30分は首相に自由な発言を必ず入れる、残りの30~40分は首相と野党側もしくは論客陣との討論に当てる。
4.放送はいわゆるゴールデンアワーに行う。

この提案のメリット
・首相としては
 国民の面前での討論、
 野党や論客から反撃を食う恐れがある、
 しかも記者会見などのように編集されない、
為にうっかりしたことが言えないので、自分の発言の問題点を十分に検討しなくてはならない。
 そうすれば多分鳩山さんの発言で普天間問題がデッドロックに乗り上げることも無かったと思いますし、菅さんも党内の議論も経ないままの消費税増税発言など引っ込めていたと思います。
・勿論本来の目的の国民が首相の意見をそのまま(編集なしで)聞けると いう最大のメリットがあります。
・今週の「たけしTVタックル」でたけしさんが「何だ皆の意見を聞いていると皆同じことを言っているので、直ぐ決まりそうなものだが」と言って居ましたが、テレビを通じ討論はどうしても国民を意識して仕舞うので、緊張したそして慎重な意見になると思うので、国会の審議にも良い影響があるかも知れません
 もっともこの現象は野党時代からの若手の民主党員と自民党のテレビの討論で、これなら国会でも決まりそうだと思ったのが、党に帰ると党としての意見がコロリと変わるのと同じ現象が起こりそうですが、この提案の場合は首相の発言なのでたけしさんの言うような効果が幾らかはあるかも知れません
・理論的にはこの討論は国会でもやっているし、録画でも見られるようななっていますが、国会と言う政治家の内々の議論と、臨場感の欠如でどうしても党利党略優先で、足が地に就かない議論になって仕舞うようです。
 それと昼間の放送で見る人達は限られている問題もあります。

[余りにも酷いNHKの「総理に聞く」]
 この問題で直ぐ思いますのが、NHKの麻生さんの会見です。
・出席者は麻生さんの他、司会のアナウンサー、テリー伊藤さんと、日本商工会議所会頭の岡村正さん
・その内容は、「麻生さんは何故漢字の読み間違いをするのか」、経済対策の遅れの批判、世論調査の麻生内閣の支持率低下、麻生さんの総理としての支持率が小沢さんより低い訳、西松建設が国策捜査ではないかの質問などなど。
 NHKのこの特別番組の40分の間ではっきりしたことは、麻生さんの国会答弁や、記者へのぶら下がり会見で皆とうの昔に知っていたことばかりでした。
 そして司会の神志名さんが最後の1~2分と言うときに、今度の総選挙の争点は、日本の将来の国家像をどうするのかと質問をしました。
 麻生さんは残り時間が1分そこそこしかないのを確かめて、それこそ早口で安全保障や福祉対策、雇用問題、技術立国など時間ぎりぎりまで並べたところで番組は終了となりました。 (注記参照)
 この様な大きなことそして国民として是非知って置かねばならないことを一国の総理に早口で1分でしゃべらせるなんてどう考えてもNHKのやり方は酷すぎると思いませんか?
 やはり私の言うように、 (多分NHKが意図的に)麻生さんの立場に賛成の人を入れなかったこと、肝心のことを麻生さんに喋らせなかったように思えななりません。
 
このような放送をするから、そして民放も政府攻撃ばかりの放送をするから、選挙で国民を誤らせ、衆院選後の世論調査で「民主党を勝たせ過ぎた」と言う結果が出るし、今になって麻生さんの経済政策は民主党のそれより遥かに優れていたという識者の意見が出るのです。
 それに比べると、民主党寄りとの批判の高いテレビ朝日の「たけしのTVタックル」の方が先のNHKの番組より遥かに中立的と思うし、たけしさんも言っていますが、「バランスの取れた出演者の配置が視聴者を惹きつける面白いものになる」と言うのが私の提案のもう一つのメリットと思うのですが。

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注記:麻生さんの最後の発言(その儘の記録)
麻生さん「まったく賛成。あと何分あるんです?」
司会者「あと1分です。」
麻生さん「あと1分で全部しゃべるのは無理かもしれないが、ものすごく手短に。今、言われている論点明確にする。正しい、絶対に正しい。安全保障。ものすごく大事です。(米国の)第7艦隊さえいればいいんだという話とは私全然意見が違いますから、第7艦隊の話ふくめて安全保障。今言われた、福祉の問題については我々は中福祉・中負担。その中福祉がほころびが出てきていると思いますんで、それには小負担ではきませんから中負担をお願いせねばならんと申し上げている。それと、もう1つは今言われたように雇用、中小企業、地方というものに関しては我々は将来のことを考えて目先やりますよ、地方、中小企業やりますよ。しかし将来のことを考えたら科学技術立国、環境立国含めて、こういった将来のことも考えて我々は対応していくべきだ。
(これだけのことを時の総理に僅か1分で言わせる!! NHKは何を考えていたのでしょうね?)

参照:「NHKの「総理に聞く」にがっかり