普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

菅内閣、公務員人件費の2割削減、先送りへ

2011-01-13 14:41:37 | 公務員制度

 昨日の読売 Web版は菅政権が「公務員人件費の2割削減、先送りへを決定したことを報じています。
・政府は11日、民主党の衆院選マニフェストに明記した「国家公務員の総人件費2割削減」について、衆院議員の任期満了である13年度までの達成は困難になったとして、公約内容を見直す方針を固めた。 (詰まり次期衆院選で民主党が負けたらこの公約は空約束になる?)
・関係閣僚は
同日、首相官邸で協議し、「13年度までに2割削減のメドをつけるため、削減策の具体化を進める」と軌道修正を図ることで一致した。 (えっ!!具体策もなしにマニフェストに掲げたの?)
・政権公約では、子ども手当や高速道路無料化などの財源に充てるため、13年度までに人件費の2割に相当する1・1兆円を節約する方針を明記していた。 (それまでどこから財源を持ってくる?)
・政府は2割削減を実現するには、国の出先機関の事務や権限の地方への移管のほか、労使交渉を通じた給与削減などが必要になるとして、関連法案などの作成を進めてきた。
・政府が閣議決定した出先機関廃止を含む地域主権戦略会議のアクションプランは、人事異動や事務引き継ぎなどに一定の時間がかかるとして、関連法案は12年の通常国会に提出するものの、実施は「14年度」からとした。このため、13年度中の実現は難しいとの結論に達した。
[私の意見]
天下り禁止のために公務員経費増大
・民主党政権は「天下り禁止」の公約実行のため省内の人事が停滞を招き、特別職を増やすなどして、今までの三角形の構造から台形に代わり、公務員経費の経費削減どころか増加の試算が出ました
  それを防ぐために「現役出向」と言う新たな「天下り」の実施を考え出し、野党や、それまでほ公務員制度改革に当たってきた現役の古賀茂明さんからの厳しい批判を浴びました。 (仙石さんの恫喝問題、古賀さんが閑職におかれ経費の無駄遣いをするというおまけまでつきました。)
具体的対策の問題点
・外野の私から見た民主党の経費削減の具体策が決まらないのは、報道の理由もありますが、民主党政権に取って予測が大きく違ったのは、参院選の敗北でネジレ国会になり、余程納得の行く説明が就かない限り、国会の強行突破が出来ない現実にぶつかったからだと思います。
1.国の出先機関の事務や権限の地方への移管
 今までのところ野党もマスコミも大きく取り上げていませんが、民主党の公約を良く読むと、国の出先機関の事務や権限の地方への移管し、省庁の公務員を地方自治体に移すことでその分だけ公務員の経費を削減するというものです。
 然し現実はどの地方自治体も財源不足で困っているので、省庁の公務員を黙って受け入れる訳には行きません。 (子供手当ての財源の一部を地方自治体に移すという政府の案をどの都道府県も拒否しています。)
 だから政府は何らかの形(多分交付金)でその受け入れ分の費用を地方自治体に支払わなければなりません。
 この法案が国会に上程されれば野党が猛反対するに決まっています。
 何故なら公務員経費が(例えば)交付金に変わっただけて、国の財政負担はj全く変わらないからです。
2.労使交渉を通じた給与削減
 これは民間企業と同じように、官公労に団体交渉権や特殊の役職を除いてスト権を付与する代わりに、政府が彼らの給与を削減出来るようにすると言う案です。
 然し民主党が勘違いしているのか、判っていて黙っているのは、官公労の場合は相手が親方日の丸の政府で、天変地異でも無い限り民間企業のようにぶっ倒れることはなことです。
 民間企業の労働組合は殆どが企業との強調路線を取っており、今のような不景気のときは賃上げ運動を控えています。
 民間の労組は原価意識をもっていますが、官公労は多分まったく持っていません。
 国民は国鉄時代の親方日の丸の国労、動労の猛威を良くしっています。
 それにもう一つが民主党がその支持母体として官公労に大きく依存していることです。
 そんな民主党政権が官公労へ賃下げを押しつけることができ、政権をささえてやっていると思っている彼らがそれを受け入れるでしょうか。
 民主党政権の二つの具体策も、明らかに問題だらけでねじれ国会では法案成立は殆どないと思います。
 だから具体策が何時までも決まらないのです。
公務員経費削減の本道
 民主党政権がもし民間企業に習うことがあるとすれば、彼らの地道な合理化の努力とその手法です。
 筋の通った合理化なら、如何に労組が協力でも反対出来ません。
・そのためにはまず経理制度を改めて、人件費、整備費などの固定経費が全体予算にどれくらいを占めているかを明らかにし、公務員全体の原価意識を高めること。
・企業と同じように自主管理グループを作り改善提案を出させること。
 詰まり政治主導と名で政務三役が自分何もかもやらずに、公務員の能力を最大限に引き出すこと
・事業仕分けなどのように中途半端でなく、日本能率協会のような外部機関に委託して、徹底的な生産性向上へ向けた査察を行い、改善活動へ反映させること
・関係団体も合理化し、省庁と連結会計にし、国会での承認を得るようにすること
 一言で言えば大衆受けする「事業仕分け」でなく、地道で実際的な政策を取らない限り、公務員経費の削減など出来ないと言うことになると思います。
 民主党も本格的な政権与党を目指すのなら、もっと足に地を付けた政策を考えるべきだと思うのですが。

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