普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

就職氷河期と民主党政権の教育政策

2011-01-18 16:18:30 | 教育

 先日のテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で就職氷河期の問題で、解説者が大卒の就職内定率が低いと言うが、実際の就職者数は前々年より前年の方が上がっている。
 それは業界の希望する人材とその数と、それ応えるべき大学のミスマッチ
で、特に文科系にその傾向が強い と言っていました。
 つまり大学全入の傾向に伴う過大な大卒の就職希望者数に問題があるというのです。
 この問題に就いてネットで調べて見ますと、大学進学希望者全入時代、大卒就職希望者就職内定率最悪についてどう思いますか?
と言うQ&Aのサイトがあり、現役の大学教員をしていると言う人から次のようなコメントがベストアンサーに選ばれていました。
教育の送り出す人材と、産業のもとめる人材の間にミスマッチが生じている
・高校卒の進学率が上がったのは生産現場の自動化やロボット化が進み、必要な人数が減っている
 そのため、大学へ進学するが、大卒者の必要数もそれほど増えていないため、現在のような就職難が発生したのではないか
日本の産業構造を考えれば、30年前とそれほど大きく変化していないのに、理系の卒業者数に比べ文系の卒業者数は圧倒的に増えている
 それは大学の経営的に設備費やランニングコストのかからない文系学部の新設が多くあった
 それにより文系学部卒の学生の就職先は、これまで高卒向けであったものも含まれてしまい、そのため高卒後の就職先が無くなるというと悪循環を起こしている。
工学部や他の理系学部でも、近年の科学技術の発達にともない、大卒では最先端ヘ達することが困難になり、大学院への進学があたりまえになりつつある
 一方、文系学部では、大学院への進学は「就職の妨げになる」との風評も出てい。これは文系学部卒業生の「大卒以上レベルの社会の必要人数」が以前に比べて増えていないことを、暗に示しているのではないか。
・このような状況が学生の勉学の意欲を削ぎ、レベルを落としているのではないか。
 加えて「ゆとり教育」の悪影響だろうか、学習意欲レベルの低い学生も多くなり、「大学卒の資格さえ取れればいい」と思う学生が増えているのではないか。
・加えて、労働は「権利」ではなく「義務」であるということを理解していない。あるいは「職業選択の自由」の意味をはき違えている(職業選択の自由を勝ち取るためにはそれに必要な技能を身につけることがもとめられるという義務をともなうことを理解していない)学生が多く見られる。
・まじめにきちんと大学や大学院で自分の能力を伸ばす努力をしている学生は、大変だが就職できない状況ではない。その辺は、企業もしっかりと人を見定める努力をしていると思う。
   「ゆとり教育」の批判に就いては少し脱線気味ですが、それを含めて現在の教育や大学の在り方の問題点をズバリ突いたコメントだと思います。
 それに対しての民主党政府の(どれと言って宛はないが余所が行くからとりあえず普通科でも入っておこうかと言う生徒のいる)高校までの無償化の考え方は、ただでさえ多すぎる大学への進学者数の増大を応援するようなもので、テレビ東京の解説者や大学の教員の方の指摘する方向を助長するようなものです。
 そして上記の問題点を踏まえた現実的な対策は、
・文化系の大学への一律の補助金を見直す。 (文科系本来の目的の阻害しない程度に)
・その分を理科系の大学に廻す方向で見直す。 (現に今回の共通一次テストでは理科系への希望者が増えているそうです。)
・高校無償化も普通科設置校への補助金を見直す。 (就職に直結する学科へはレベルの維持か増やす)
・見直しの基準として高校の場合は中学校での全国学力テスト、大学の場合は学力一次試験で一定の点数を獲得した生徒、学生の入学者の全学生に占める割合でを考慮して、補助金の支給額を増減させる。
 高校・大学の場合は各学科に必要な基礎学科は上記テストの必須科目として、評価の対象とする。
・大学の最終的な評価は卒業生の社会での活動実績に依るのが正しいが、事実上困難なので、受験者の大学の(例えば官庁への採用数の多い東大とか、理科系ではどの大学が強いかなど)選定に任せる。 (詰まり(今回のテーマで言えば就職で)人気の悪い大学は自然淘汰される。)
 私の提案は少し乱暴な所もあると思いますが、韓国が優秀な学生に440万円を支給し、特別チームの指導・助言も受けられるのに比べると、日本の高校の無償化は、選挙で民主党に有利な点を除いては、余りにも手ぬるい、的外れ、無駄遣いのような気がしますし、少ない財源からみても、もっと思い切った対策を取るべきだと思います。
 もう一つの問題は大学の教員の方も指摘されて居ましたが、就職難に伴う教育の問題です。
 菅さんは、 (最近すっかり言わなくなりましたが)雇用増大→需要増大→景気回復を唱えていました。
  たしかに、リクルート社調べによりますと、5,000人以上の大企業の求人倍率は0.47倍ですが、300人以下の中小企業の2011年大学新卒の求人倍率は4.41倍と高いそうで、大卒の人がその気になって中小企業にチャレンジすれば、菅さんの言うように雇用も増大する可能性はあるのですが、問題は大卒者がその気になればなんとか成りそうですが、高校までの教育の問題が大きく関わっています。
 私などから見れば中小企業に入っていきなり大きな仕事を任されるのは、大きな生き甲斐を感じると思うのですが、高校迄の教育でチャレンジ精神が乏しくなったのと、不景気の影響で皆安定指向で大会社に殺到し、就職氷河期と言われるまでになっています。
 良い会社や官庁に入るなら、それなりの素質があれば猛勉強をすれば済むことです。
 然しゆとり教育と、その名の元での(夏休み、春休みなど既得権に加えて)教職員の土曜日の授業放棄、それに伴う塾の増加と教育費の増加、横並びの教育、優しすぎる教育が、勉強の意欲を無くし、社会での競争に耐えられない、ひ弱な安定指向に走る学生の発生など大きな問題になっています。
 そんな事は判っているのに、そのような教育をしてきた日教組を支持母体にし、本流の人達と考えと全く違う社会主義思想の社会党出身者、財源がないと判っているのに依然として(勉強の意欲の高い生徒も遊び呆けている生徒にも、所得制限も無視し)公平?なばら蒔き政策を推進せよと言うグループを抱える民主党政権。
 一方、重点的ににポンと金を投げ出す韓国政府や、ハングリー精神豊富な韓国学生。
 このままでは日本は似た国情を持つ韓国からかも益々置いておかれるような気がしてならないのですが。

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