普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

NHK現役職員の「JAPANデビュー」に対する告発

2009-07-04 17:23:21 | 情報、マスコミ

 今日、家内の使いで街に出たついでに、予てから気になっていた雑誌「正論」のNHK「JAPANデビュー」・「アジアの"一等国"」に対する現役職員の匿名の告発記事を(書店には申し訳ないが立ち読みで)読みました。
 それで判ったことは、
・番組は1月ころプロジェクトが本格化にスタートし、わずか三カ月余りで第1回「アジアの一等国」は放送された。
担当のディレクターは、自分が決めたとおりでないと気が済まない、思い込みの激しいタイプだとの悪評が以前からあった。
 ドキュメンタリーには、粗い筋書きに添って、取材や撮影が進められるが、想定した構成と現実が違っていたり、識者のコメントが想定外のことが良くあるが、彼は最初に決めた筋書きに拘泥する余り、それに沿った編集をしたり、コメントをする人を探す傾向があった。
NHK内で放送直後から、各職場で「これ、やばくない」「やりすぎだよ」といった声が洩れたが、縦割りの組織と上司には逆らわぬ雰囲気があるため、トップまでそのささやきが上がることはなかった。
・告発者自身も有識者や専門家らから「NHKはどうした」と何度も言われた。
・「日台関係を離間させるつもりか」とも、「中国共産党の宣伝工作の片棒を担ぐのか」とも批判されているが、そんな目論見があったわけではなく、ディレクターの意識の低さ、取材のお粗末さ、上層部のチェックの甘さという、極めて次元の低い問題だ。
 告発者の知る限りでは一言で言えばいい加減だったのだ。
・NHKは、批判に対する説明をホームページで、「日本統治五十年を記録した2万6千冊の文書を丹念に読み解いた」と言っているが、どんなに手分けしても、その100分の1の文書も読み解けなかった筈だ。せいぜい、背表紙を数えたりパラパラめくった程度だったはず。 (そう言えば僅か3ヶ月の予定の内2ヶ月を準備期間としても、丹念に読める筈がないと思います。)
 準備不足のまま突貫作業でつくられたのがあの番組だ。
・福地茂雄氏会長は、3度も見直した結果公平な作り方をしていると言っているが、周囲には「こう言う見方(つまり統治の否定的な?)も或るのか」と漏らしていた。
 福地会長はもう一度(統治の肯定的な)観点を変えて見直して欲しいものだ。

[私の意見]
・政策責任者は担当ディレクターの思い込みの強さを知っていたら、彼任せにせずその指導と監督に特に留意し、完成後のNHK内の試写会?に会長始め幹部にも見せて、その公平性、公正性をチェックすべきだったと思います。
・NHKは「全体を見れば番組の公平さが判る筈」というが、本当にそう思っているのなら、公平な報道さが一般に伝わらず、反対の印象を与えてしまったのは、明らかに番組の失敗であり、担当ディレクターの責任を追求すべきです。
・番組が失敗だったことは、後の2~3回の同シリーズへの批判が第1回より遥かに少ないことでも判ります。
・然しNHKが依然として番組の公平さを主張する態度を変えない限り、ディレクターの処分は出来ないでしょう。(処分すればNHKが番組の不公平さを認めたことになりますから。)
・そして8,300人にも達する訴訟に対処しなければならぬ羽目になり、NHKの信用はがた落ち、料金不払いの運動に悩まされることになるでしょう。
・もし告発者の意見のようにNHK内でも多くの批判がでていたとすれば、幹部は下部の職員の意見を吸い上げるシステムを作らねば、NHKの自浄作用は無くなって仕舞うでしょう。

・それにしても、放送倫理・番組向上機構(BPO)は一体この問題をどう取り扱うのでしょうね。
 4月に寄せられた意見は5,041件で、3月と比較し2,161件と激増、5月に寄せられた意見は 1,937件で、4月と比較し3,104件と激減。
 この様な特異現象は明らかにNHKへの抗議の意見の筈なのに、そのその旨の言及なし、そして肝心の放送倫理委員会は4月、5月と続いて日テレの「真相バンキシャ」の議題ばかり。
 BPOは日本社会から遊離した組織になっているような気がしますが。

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