昨夜の「たけしのTVタックル」で今問題になっている、菅さんの不信任案提出の動きに就いて批判が集中していました。
・不信任案提出自体にも、今のように緊急事態にこのような政争が許されて良いのか。
・不信任案可決して国会解散、総選挙などしようにも、被災者が離散して所在が掴めな状態で選挙など出来るか?
・不信任案可決しても菅さんがみすみす負けると判っている総選挙に打ってでることはない、そして菅さんに代って民主党内から首相に代ったとき、自民・公明はどう対応するのかと?
と言う誰でも判る批判が出ました。
原発事故とその対応の責任
・不信任案提出の最大の理由は原発事故対応の拙さが言われています。
然し今回の海水注入継続の報道に見られるように、政府と東京電力の責任の割合は、原発と言う密閉空間で起こった事故発生の責任はほぼ99%は東京電力の責任、菅政権の責任はその指導不十分、今回の海水注入継続の報道に見られるように事故発生後の対応の責任はほぼ95%は東電、残りはそれに振り回された政府の責任、情報提供の遅れの責任は、、ほぼ80%は東電、残りの20%はその指導を怠り、国民への影響を考えて情報の総てを開示しなかったり、遅らせたりした政府の責任です。
かっての政権与党で自民党はそのような理由だけで、不信任案を提出して国民は納得すると考えているのでしょうか。
上記の様な批判にどう答えて行くのでしょうか。 (産経世論調査:野党が今の国会で内閣不信任決議案を提出することは理解できる;思う45.6、思わない47.1)
不信任案提出に関する疑問
この菅さんへ不信任案提出自身に就いての疑問があります。
・不信任が採決されるのか
今日のテレ朝でも同社の現場記者2人が成立しないだろうと言っていました。
私も民主党バブルに乗って当選した人達が何事がなくても次期衆院選の落選の可能性が非常に高いので、菅さんから解散して貰っては困ること
解散しなくても党の決定に反対して党幹部からの除名などの締めつけにあえば、次期の選挙ではなお一層不利になる危険を冒しても不信任案に賛成する人がいるか
それで反菅勢力や自民党が考えている以上に減る可能性が高いことから同案は成立しないような気がしますが。
・自民・公明不信任案が不成立の後の対策
谷垣さんがこの案の提出におよび腰なのはこの点と言われていますが、もし成立しなければ、次の一手は参議院の問責決議案を成立させ、参議院での審議を拒否するそうですが、今の日本の非常事態の中で国民の支持を得られると思っているのでしょうか。
後の自民党にとっての希望は民主党内の分裂だけですが、民主党のスポンサーを自認する鳩山さんが出ることはないと言われていますし、唯一の頼みは小沢グループだけですが、小沢さんに最後まで就いて行く人は何人いるでしょう。
そして党を割る名人の小沢さんそのようなことを分かっても意地でも党を割るでしょうか。
・不信任案成立して政権交代があるのか
不信任案が成立して、菅さんが辞職することはあつても、菅さんが頭に来て判断力をなくさない限り、みすみす負けると判っている解散・総選挙に打ってでも可能性はないような気がします。
そして前述のように総選挙をしがたい国の事情もあります。
それで菅さんに代って民主党から誰がでれば、自民・公明は後任者を追い落とすことさねば自党に政権は廻って来ませんがどう対応するのでしょう。
・不信任案成立した時の後継者の名前が全く判らない
これは私が前々から言っていたことですが、先にあげたテレ朝のコメンテーターが言っていました。
民主党内では、小沢さんか、またはそのの意のままになる誰か対菅さん側、中立派の誰かを選ぶのに内紛状態になることは容易に予想されます。
外野から見れば前にも書きましたが、公判を控えている小沢さんが首相になっても、小沢さんの意のままになる人を立てて後でリモートコントロールなることは、野党やマスコミ、世論の反発もあり考えられないことから事実上不可能のように見えますが、果たしてどうなるのでしょう。
それでは自民党はと言えば今日の産経の世論調査では、日本の首相にふさわしいのは:石破茂6.3、石原伸晃2.6、谷垣禎一1.9(いずれも%)となっていますが、自民党はそれでも谷垣さんを首相候補に押すのでしょうか。
もっとも前に書いた理由で菅さんは総辞職しても、解散はしない可能性が大きいので、この予想はいらぬお世話になる可能性が高いと思います。
結局不信任案提出で自民党の得るものは、民主党の分裂と言う後ろ向きの可能性だけです。
自民党は不信任案提出するなら堂々と後継者の名前をだせば、少しはその動きも前向きなものになると思うのですが。
・不信任案より実力者を民主党内閣に送り込み自民党政治を実行
私は前のエントリーで以下のように、不信任案を出すより、
自民党は亀井さんの言うように、復興本部でも何でも良いから、石破さんなどの実務家を送り込み、民主党政権と一歩離れた立場で本部を運営するなどの条件を呑んで貰う代わりに、不信任案を引っ込めるくらいのネゴをして良いようなに気がするのですが。
それが民主党政権の延命に繋がっても、長い目で見れば自民党に良い影響を与えると思う。と書きました。
その後の報道で石破さんは今でも民主党の玄番さんと政策の調整を進めていること、
そして不信任案提出の慎重姿勢でいること
が報じられているのを見て、石破さんは正に私のアイディアの適任のような気がします。
今日これを書きながら、山岡鉄舟、勝海舟、西郷隆盛の会談による江戸城無血開城の話しを思い出しました。
今の日本の難局で、このような人は出ないのですかね。
然も仲介の山岡さん、勝、西郷さんはそれぞれの属する藩のトップではない人です。
そして三人の話しを受け入れた徳川慶喜、新政府の幹部達。
三人のように日本のために私利私欲、党利党略を投げうって、国のために働く人、そして国のためならそれを受け入れる政党のトップの出現など夢物語ですかね。
本当に誰もいないのですかね。
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