普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

溶けて行く日本人

2008-07-01 12:51:35 | 教育問題

 昨夜の英字新聞輪読会の雑談の中で、世の中はおかしいと言う話から、戦後の日本は性道徳の乱れ、エイズ問題、通り魔的事件など社会現象でも米国の後追いをしていたが、最近は一部では米国を追い抜いて家庭内殺傷の続発、モンスター***などの日本独自の新しい現象が起こっているなど話に花が咲いた。

 ネットの産経ニュースにも「溶け行く日本人」と言うコラムがあり、キレる大人たち…店員並ばせ怒鳴りつけるうちの子は…“自子中心”の保護者この犬をお願いします…身勝手な飼い主、などの話が並んでいる。

[私の意見]
 これらの話や最近の日本の新しい現象から見ても直ぐ気づくのは
・自分のことを棚に上げて全て他人の所為にする。
・見当違いの権利を主張する
・その相手は自分にとって安全な人ばかり、例えば商店、学校、病院、警察、お人好し、秋葉原事件のように武器を持たない一般人などなど。
・自分の殻に閉じ籠り判断もその狭い範囲でしかしない。(車内での化粧)

 この原因は私のような戦前から今まで見てきた年寄りの眼で見ればつぎの問題が考えられる。
・「済みません」から責任を人に転嫁する考え方への変化
 昔は「済みません」に象徴される文化があった。(今でも「有り難う」の代わりに「済みません」と言う人も多い。)
 何か事が起こったときに、自分にも非があるのではないかと言う考えだ。
 「交通事故が起こったときに絶対に済みませんと言ってはいけない」は外国に始めて赴任する人たちへのお決まりのアドバイスだった。(今でもそうかも知れないが。)

・権利重視、日本古来の美風を忘れた教育
 「済みません」の文化は戦後の民主主義教育での権利重視、それに伴う義務・責任の無視または軽視、と個人の尊重の教育と、敗戦で自信を失った人達の家庭内の教育力の減退で日本古来の「済みません」象徴される文化が衰退してしまった。

・密閉空間に閉じ籠もる人達
 民主主義の教育の推進まのために、戦前の価値観を持っている人達から隔絶した環境で教育するために、学校が地域のかけ離れた存在にした。
 これは当時生きていた私たちの実感だし、最近では開かれた学校を目指すところが多くなったと言われる事は、昔は閉ざされた学校だと言う事だ。)
 その密閉空間では戦後復活した左翼的な考えの人達の勢いが増してきた。
 一方、核家族化、少子化で地域での子供社会の縮小または消滅、学校ではクラス内のだけの世界、プライバシー保護のための家庭では子供たちに個室を与えてるなどで子供の世界が極端に小さくなった。
 こう言う密閉空間で育った人達は直ぐに自分の世界に閉じ籠もることに慣れてしまった。
 DV、家庭内殺傷事件はコミュニティーから隔絶した空間で起こりがちだ。

・家庭の教育力の低下→環境の劣化→社会環境の劣化の悪循環
 家庭教育については戦後の親たちの自信の喪失、競争社会で家庭を振り返る余裕が無くなったこと、金が全ての考え方の普及、個人尊重という名の教育の放棄などで家庭内の教育力の低下。
 それと重要なのは日本古来の美徳を無視して個人尊重、権利ばかりで義務、責任の軽視についての考え方で育った人達が親になり、その子がまた親になると言う社会劣化のスパイラルとなっていることだ。
 それがキレル大人、モンスター***など次第に問題を起こす人達の高齢化に進んでいるのだと思う。
 幸いな事にそれがまだ極端にまで進んでいないのは、多くの親たちがまだ日本古来の良い所と、民主主義の良いところを子供たちに教えているからだが、問題はそんな親たちの数が次第に減ってくることだ。

・男女同権の考え方がもたらしたもの
 昔は男の子は男らしく、女の子は女らしくと育てられてきた。
 男は弱いものイジメをしないこと、やらねばならぬときは何があってもやる勇気をもつこと、女の子は優しく思いやりのあるように育てられた。
 勿論、今の時代は男、女を区別して育てるなど問題外にされているし私もそう思う。
 然しそのお蔭で、人間としての良い所、弱いもへ優しさ、勇気、思いやりなどの良い所まで無くしかけている。(*注1) 
 言うまでもなく社会は複雑で、色々の問題も市場経済中心主義、外国人の流入、マスコミの報道のあり方(*注2)など多くの問題が複雑に絡みあって今の世相を作っている。
 その一方でまだまだ健全な家庭やしっかりした考えの人達の方が多い。
 教育の改革もは牛の歩みと言うかかたつむりのスピードだが進んでいる。。

[独立国日本として考えねばならぬこと]
 今の世相について、全ては米国の謀略だと言う人もいる。
 善意に取って考えると、米国は民主主義を押し進めるのに、その背景となっている米国人のフェアプレイ、フロンティア・スピリッツなどの価値観や、宗教の影響などがあって民主主義が成立していること、日本での教育でも日本人に合った環境をも考慮に入れることを忘れていたのだと思う。(これを意識して省いたとすれば謀略となる。)

 然し日本は曲がりなりにも占領後独立国として半世紀が経った。
 日本の教育、日本人の価値観や道徳感に欠けていたのを補いより良いものにするのは明らかに日本自身の責任だ。
 戦前、戦後直後には考えられなかった異常な事件の続発している今こそ、今までの考え方やそれに基づく教育を見直すべきところに来ていると思う。

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*注1:昔も今も弱い立場の人を苛めたり無理難題を吹っ掛けるのは軽蔑されたものだが、今は大人の中には自分の空間に閉じ籠もり、世の批判など耳を傾けようとせず、好きな事をやりたい放題をしている人達がいる、それが所謂モンスター****だ。
*注2:特にテレビ朝日の「スーパーモーニング」で凶悪事件や陰惨な事件の繰り返しの報道や、官庁などの権力機構などの不祥事や官僚の役得などの放送の主旨は判るような気がするが、何でも人の所為にしたがる若者たちの悪事への良い言い訳にかねないことには留意すべきだ。
 暗い面ばかりの報道も良いかも知れないが、必ず厳しい環境で働いている若者達の活躍などの明るい報道を1つか2つは入れれば若い人達への教訓になると思うのだが。

参照: 「済みません」の国日本  
        
秋葉原の通り魔事件 
        
秋葉原の通り魔事件と教育 
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