普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

サミットから学ぶもの

2008-07-10 15:01:01 | 政策、社会情勢

 サミットは終わった。
 結果はほぼ予想された通りだ。
・地球温暖化防止のための温室効果ガスの規制目標の設定は新興国の反対に逢う。
・原油高騰にともなう諸物価の上昇は、市場の透明化を求めるだけで、肝心の投機資金の規制は見送り。
・唯一の成果は米国の譲歩で、温室効果ガスの規制目標の設定にG8の足並みが揃ったことだ。

[サミットの成果]
 これに対する評価は様々だが、私としては日本としては次のような成果を挙げたと思う。
・僅かだか温室効果ガスの規制目標の設定に前進で、議長国としての面目が保たれた。
・他国であったようなG8反対の騒動は、一日だけデモ隊と警官隊の小競り合いがあっただけで無事に終わった。
・会場やメディアセンターなどのもてなしや、会場内外の運営で日本人の真面目さ、几帳面さ、ホスピタリティーなど外国の人達に知って貰えた。
・ハイレベルの日本の環境技術のPRになった。
 この点で福田さん初め関係者や警備のあたった人達の努力に日本人として感謝をしたい。

[サミットから学ぶこと]
 また日本でサミットが行われたこと自体は日本人に多くのことを教えてくれた。
・大きな世界的な問題と国内問題
 地球温暖化、食糧危機、石油資源の減少とそれに乗じた投機資金の横行→世界規模での物価上昇など、問題は地球的な問題でかつ深刻だが、国それぞれの事情と絡んで、解決が非常にに難しい。
 それに比べると基本的な少子高齢化問題を除けば(*注1)日本が当面抱えている問題の道路特定財源、高齢者の医療問題、年金問題などいずれを取っても、前記の問題と比較すれば、いずれもそんなに難しい問題でなく、しかも同じ日本人同志だから心を割って話し合えば解決がつく問題だ。
 サミットが終わってこれからまた国内問題に移る。
 政治家たちは国内問題を議論するとき、党利党略など小さな観点ばかりでなく、世界的な視野からも見ることも忘れないで欲しいものだ。

・世界情勢の変化
 これについては何度も書くので項目だけを挙げる。(*注2)
 米国の地位の衰退と孤立化、EUの影響力の増大、無視できない新興国の発展、市場経済主義・グローバリズムの限界露呈などなど。
 これらに対して日本は今までのように、米国追随、市場経済主義一本槍の方針を見直す必要はないのか。

 私たちは折角の日本で行われたサミットの教訓を活かして行きたいものだ。

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*注1:少子高齢化
 私が考えて唯一つ難しい問題は、医療、介護、年金など福祉問題や、農村の疲弊、企業の労働力不足の問題の根にある少子高齢化の問題だ。
 何故ならそれは日本の生活環境などの問題もあるが、基本的に若い人達の国民の意識のあり方(例えば子供より自分の生活優先、個人や国にとっての子育ての大切さよりも経済的に豊かな暮らし)、今の時代の高齢者は70~80迄位でも何らかの形で働けるのに、昔ながらの定年後はのんびり過ごしたいと言う考え方を変えるなど、民主主義国では政治は少子高齢化の改善に向けて制度や設備は設けられても、本人の意識には直接関与出来ないからだ。
 これは国民自身で考えたり、マスコミや批評家達のリードに頼ることしか考えられないから難しいのだ。
   参照:カテゴリー →少子高齢化

*注2:市場経済中心主義と米国の関係
 米国型市場経済中心主義は万能か 
米国との関係
 中東紛争から学んだもの(1)米国の民主主義とは

 その場凌ぎの政治から抜け出すために
 米国がもし~したら、~しなかったら
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石油問題と米国との関係の見直し