昨日の産経新聞によれば、
首相の諮問機関の政府税制調査会は消費税率引き上げの時期や上げ幅を11月にまとめる答申に盛り込まない考えを表明した。その理由は福田さんが早期増税に慎重なこと、生活必需品の値上がりなどで“外堀”が埋まったてため思い切った提言をあきらめた格好だ。
と報道している。
私はいくら素人考えとしても少し乱暴だが、将来を見据えた思い切った増税も一つの考え方だと思う。
[増税論の理由]
その理由は
1.政府は緊縮財政では国債の増加を極力抑える一方、経済成長による収入増加でいつかはそれを縮小しようとしているがその展望が全く見えない。
・緊縮財政で国債の増加を防ごうとしているがその傾向は全くない、詰まり借金の返済の目処が全くない。
そして世界でみても債務残高の増大一方の国は日本だけだ。
参照:債務残高の国際比較(対GDP比)
・政府の目指す経済成長の目処がたたない。
今年1月時点の予想に対して、家計や企業の景気実感に近い名目経済成長率は2・1%から0・3%に下落した。(読売新聞から)
これは主要国の経済成長率を見ても最低レベルだ。
2.政府予算の中で国債費で全体の25%近くを占め全体の予算を圧迫している。
そのため経済の発展、年金の政府負担、老人医療費の増加、介護問題の解決、医療崩壊などへの思い切った対策が出来ない。
詰まり1.2.を通して言えば、これは必ずしも政府だけが悪いのでなくて、超低賃金と膨大な人口を有する中国の台頭という他の先進国にはない特殊事情が日本にはあるが、いずれにしても日本の将来はお先真っ暗だ。
そしてこれらの出口の見えない環境が、通り魔事件、家庭内殺傷事件の続発などの社会不安の一因となっているようだ。
3.世界の先進国の消費税率を比べると、スイスの7.6%を除くと殆どの国が10~20%に比して日本の5%は以上に低い。
この点は各種の税負担の違いなどいろいろあるとしても、日本が消費税を少なくとも10%は上げて日本が立って行かない理由は何も無いはずだ。
前述の経済成長率では日本と近いEUでもなんとかやってやっているのだから。
[将来の展望の見える増税]
勿論仮に消費税を上げることには、生活必要物資など現状維持などの緩和策をとっても、国民生活や国家経済にに大きな打撃を与えるのは間違いはない。
然し、増税分を 年金、保健、医療関係の改善に当てることで、当面の問題を解決し、少子化対策など将来のための生産的な投資に当て→人口増または減少阻止にともなう経済の活性化が期待される。
また赤字の財政の脱却から、目に見えて減って行く国債費負担の減少→より一層の財政健全化のためのより思い切った経済発展のための投資が出来るなど、明るい展望が開けてくる。
特に少子化問題解決による将来を担う人達の増加ほど日本を明るくするものはないだろう。
そして賢い日本人は前向きな投資をするのにも、今までのような膨大な国債を産むような馬鹿な真似は二度としないだろう(と私は信じる)。
日本人は戦後の荒廃から立ち上がった貴重な経験を持っている。
皆、生活は苦しかったが将来には明るい希望があった。
それをもう一度、戦後ほどひどくはないが、将来のためにもう一度苦しい生活を我慢出来ないのだろうか。
将来の希望のないじり貧ではあるが今の豊かな生活をするのか、苦しいが明るい展望の見える苦しい生活を選ぶのか。
私なら後者を選ぶのだが。
[私の経費節減策]
勿論増税の前に良く言われるように、無駄を省くことが必要だがこれに対しても、政治の素人らしい私の提案がある。
1.国会議員の定数削減
これは国会で決めれば良い事でやろうと思えば直ぐに出来るし、その為の実害は議員を除く人以外は殆どない。
そしてこれは官僚にも合理化の犠牲を強いる以上絶対的な前提条件だ。
しかもこれは野党第一党(ことによると政権党)の民主党の今のマニフェストに明記してあるのでいくら捩じれ国会でも反対する理由はない。
2.政府職員の合理化
これは政治家が具体的にいじくらずに、政府が職員に国民にこれから増税で苦しい生活をさせる事、そのために政府職員にも合理化で応える必要のあることを納得させた上で、一定の合理化の目標(例えば国会議員定数の削減目標と同じ割合の数字)を示して、職員自身から合理化計画を出させる。
そしてもしそれに抵抗する省庁があれば、事務次官等の長を更迭する。
職員から合理化案を出させるのは、職員自身が一番よく省庁内の問題点を知っているからだ。
だから、政府や政治家達の強い意志を見て、彼らは省庁の運営に支障が起こらない様に、そして自分達の将来に余り大きな影響のない合理化案を提出するだろう。
一般的に言って、コピー機、パソコンなどの事務機械の導入は、大きな事務量の削減をもたらした。
昔は書類の複写は筆記かガリ版、印刷は印刷屋に任せるか一文字づつ拾う和文タイプだった。
コンピュターの導入当初は、一般職員は自筆の原稿を打ってキーパンチャーに渡していた。
これだけ取っても、今の若い方達でも、事務機械の導入でいかに物凄い事務量が減ったのも判ると思う。
昔の家族的経営の企業では、企業の競争力強化のために、生産部門の徹底的の合理化をしたが、事務量の減った事務部門には余り手を付けなかった。
然しバブルがはじけて慌ててホワイト・カラーの合理化に手を着けた。
然しこと政府関係省庁ではこの動きは全く無かった。
つまり事務量一つ取っても合理化の余地は充分にあるのだ。
3.医療費の削減
私の現役時代に健康保健組合ではある年数、病院にかからなかった人達に、記念品を贈る取り決めがあった。
それと同様に社会保険でもこれと似た制度を導入してはどうだろうか、健康なために病院に無縁で、健康保健の財政に貢献した人のお礼に財政の負担にならぬ程度の1~2万円程度のお礼をする制度だ。
勿論振込などでなく現金を職場や自宅に送るのだ。
出来れば職場や地域では「健康の日」などの催してその場で当人に渡せば一層効果があがるだろう。
人はおかしなもので、私の経験からしても実は保険料を損をしているのに、儲かった気持ちがするものだ。
そしてそれを貰う都度に自分の健康に改めに気をつかうものだ。
医療費や介護費の削減の第一歩でしかも一番効果があるのは人々を健康に過ごさせることだ。
その点で私の提案も一考の余地があると思うのだが。
[物質的に豊かな生活と心の豊かな生活]
今、豊かの生活に馴れてきた人達は勿論、戦後の苦しい生活をした人達も何を今更昔の貧乏生活などと言う人がいるだろう。
然し、将来の希望のないためモラルの低下した社会で、じり貧ではあるが今の豊かな生活をするのか、増税で苦しくはなるが、明るい展望の見える心豊かな生活を選ぶのか。
私は物心両面で豊かな方が良いのは決まっているが、どちらかを選ぶとすれば、最善の方法ではないが、やはり後者のほうが良いと思うのだが。
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