普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

車内で化粧する女性

2007-01-22 22:14:37 | 日々雑感

電車やバスの中で女性が化粧をするのはすっかり見慣れた光景になった。
何故そんな女性が出てきたのか、そしてその問題点は何か考えてみた。

<<狭くなった彼女にとっての生活空間>>
1.次のような理由で小さな生活空間で生活することに馴染んでしまう。
(1)子供の小さい時から個室を与えられる。
(2)少子化で家庭内、地域でのでの子供社会が無限に小さくなる。
(3)学校に行くようになると同級生だけの社会になり、家では反抗期のため個室に閉じこもる。
(4)会社に行くようになると、職場の人達だけの社会になり、帰社後は家の個室に入るか、独立して自分の城を持ち、コミュニティーとは無関係の生活を送る。
(5)家庭を持つと、専業主婦の場合は、家の中だけ、ご近所との付き合いはないか非常に限られる。  
共稼ぎの場合はそれと職場と家だけしか生活空間がない。

2.電車やバスの中に自分だけの密閉空間を持ち込みそのなかで化粧をする。
車内の人達は獣か樹木か箪笥か机と同じだと思う。
いや[狸さえ人目を避けて化けるのに]の句ではないが、狐や狸でさえ上の例えに上げられて憤慨するかもしれない。

3.この現象は男性の場合も似たりよったりで、私どもの田舎者が東京内の各駅で奇異に感じるのは、立派なサラリーマン風の人が、ゴミ籠から新聞紙を引っ張り出して読んでいる風景だ。
彼らが会社の中でこのようすことをするだろうかと考えると、やはり大都会では会社や家庭の外にいると、自分だけの密閉空間にいると錯覚しているのに違いない。

4.家庭で携帯電話で彼氏と電話しているのを親が立ち聞きしているのを見ると、プライバシーの侵害などと騒ぐだろう若い女性が、電車の中で携帯で平気で大声で話しているのを見ると、私の密閉空間説もそう突飛なもので無いような気がする。

5.タレントや会社で重要な地位を持っている女性の場合は、多分余程のことでは無い限り衆人環視のなかで、絶対化粧をしないだろう。
何故ならそのような人達は、車内で化粧する人達より大きな生活空間をもっているからだ。

<<羞恥心の欠如>>
少なくとも私たちの世代以前は、化粧など見られるのは恥ずかしいものだと思われていた。
だから浮世絵の化粧している女性の絵から、そこはかとないく羞恥心を感じから一層男性に取って魅力を感じるのだ。

現在の一部の女性は、車内の化粧など恥ずかしいと言う考えすら消えてしまっているようだ。
車内での誰が見てもOKと化粧する女性など、余程変質の男を除いて、男性、女性を問わず誰が魅力を感じるだろうか。

東京の駅で屑籠から新聞を拾っている男性が、故郷の駅で同じ恥ずかしい事をするだろうか。

米国の文化や価値観が導入されて、万事開けっ広げになったのは、さっぱりして良い所もあるが、日本古来の羞恥心が消えかかっているのは残念だ。

<<羞恥心の欠如と狭い生活空間のもたらすもの>>
はお天道さんが見ているから恥ずかしい事は出来ないと言う考えが広く浸透しており、つまり自分の良心に対して恥ずかしいと言う考え方だ。
それが今より遥かに悪い昔の生活環境でも、今より遥かに良い社会環境を保っていた原因だと思う。
いやもっと素朴な幼児のころ皆持っていた羞恥心だ。
それが成長とともに消えて行くのは仕方がない面もあるが、全く消え去って、無神経な、ど厚かましいだけの人間になっているような人を見るのは残念だ。
見てくれは非の打ち所のない男性や女性の言動に少し触れただけで、がっくり来た経験をした人も多いだろうし、特にその反対の性の若い人にとって不幸なことだろう。

今では、恥の観念が乏しい人が、自分に不利で無い限り、人に迷惑も考えずにやりたい事をやる考えは、今日本が抱えている深刻な問題の原因の一部となっている。

手つかずの対策を良い事にやりたい放題のいじめ、法律に引っかからない限り何をしても良いと思う企業の金儲け、警察に見つからなけば良いと思って犯す犯罪や飲酒運転、一時の感情に駆られた家庭内殺傷時件などの増加と羞恥心の欠落と大きな関係があるように気がする。

そしてそれを悪化させているのは、狭い生活空間だ。
いじめに対して狭い生活空間からから脱却出来ず生命を断つ生徒、ことが起こった時に会社内の事情だけて処理し社会から反発を招き窮地に陥る会社、コミュニティーから孤立した家庭内のトラブル、それを家庭と言う密閉空間で悲惨な結果に終わる親子や夫婦
(昔ならご近所のお節介やが何かと手や口を出したものだ)。

狭い密封空間(と思っている)の中で、羞恥心を忘れた女性が車内で化粧するのを見ると、それが社会劣化の状況を写す鏡のような気がする。

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