普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

中学校教師への手紙(11)[私が見てきた教育荒廃の歴史]

2006-08-06 10:21:28 | 教育問題

<<学級崩壊>>

今まで学校の問題点について書いて来ましたが、戦争前に小学校から今で言うの高校まで通っていた、私にとって全く言っていい程経験した事がない、そして未だにピンとこないのは、生徒の暴力や器物破壊などの不法行為です。

<学級崩壊の原因>教育評論家の尾木先生によれば、この問題が起こったのは1990年代頃からだそうですが、私が良く言う「終戦後の貧しい社会の教育環境で、然も学校では日教組全盛の時代、そして権利のことは言っても、義務や責任についての言わない偏った教育を受けた人が大きくなり、子供を生みその子から生まれた子供、つまり戦後三世代目の子供達によって占められている学校で起こったのと時間的に符号している」ような気がします。

つまり彼らは教育環境が年とともに劣化した時代に生まれ育ってきた時代の子供達です。

それと私たちの孫を見ていても、保育園では保育士の言う事を良く聞いたいたのが、何故小学校にに入ると問題を起こすのかと言うのもピンと来ません。

その説明として、同じ尾木先生学童保育の人達からの3年生から5年生になる間の変化についての学童保育の人達からの聞き取り調査があります。これを戦前の私たち子供時代と比較してみますと、

3年生から5年生の生徒達の問題点と戦前の生徒の比較

1.片づけやあいさつなど、基本的なことができない。 92%
(家や近所の大人から程度の差はあるが躾けが出来ていた。)

2.他の子どもとうまくコミュニケーションがとれない 89%
(家に近所にも多くの子供がいて、子供社会が出来ていた。)

3.言動が粗暴になってきている。 93%  
(特に男の子の遊びは荒っぽかったが、家や近所の大人から叱られることでその 限度を知っていた。)

4.早期教育を受けている子供が増えた。 73%
これを受けた生徒が学校の教室で気を散らすのは当然です。

5.夜型の生活の子どもが増えた。 92%  
(普通の家庭では強制的に早く寝らされた。) 

6.自己中心児が増えた。 93%
(このような人は子供社会で嫌われるので、自然と皆に協調する知恵があった。)

7.すぐに「パニック」状態 になる子どもが増えた。 85%
(物不足なので出来ないことを我慢することに慣れていた。)

つまり、保育園時代は無邪気そのものの子供も、自我が目覚めるに連れて、社会や家庭環境に基づく色々な問題が出てくるのでしょうか。

その他に私のきがつきましたのは、

1.家庭社会環境の変化
(1)核家族化、少子化、テレビ、ゲームの流行等で、子供の社会が昔に比べて非常に小さくなった。
(2)昔からの伝統や倫理観など活かされなかった。
(3)テレビ、インターネット等で教育上有害な情報に接する機会が多くなった。

2.父兄や生徒の意識の変化
(1)個性の尊重と我が儘の区別がつかぬ、自由の限度が判らぬ父兄や生徒が増えてきた。
(2)自分の権利を主張しても自分の責任や義務を忘れている父兄や生徒が増えてきた。

3.学校の変化
(1)学校や教師に対する信頼の程度が大幅に落ちてきた。
(2)教師が労働者意識を持つようになり、一番のお得意さんであるべき生徒から精力と関心が離れることが多くなった。
(3)教育関係者の所謂、教育的配慮で、暴力や器物破壊など、犯罪的な行為に対する処置が甘くなり、生徒達の罪悪感を薄れさせた。
(4)先生の荷重が増えてきた。これについては別の日に改めて報告します。

4.マスコミ等外部の影響
(1)所謂権力者による不正の糾弾や自虐的な報道で、偉い人がやっているから、生徒達が少々悪い事をしても何故悪いと言う言い訳にされた。
(2)反対に所謂弱者が不正行為をしても、強者にも責任があると言う様な報道で、生徒達に悪に対する、罪悪感を薄れさせた。

これが高学年から中学校にかけて落ち着くか、または逆に悪質になるようです。
これらの学級破壊の問題は、散発的ではあるが、その解決には多くの問題を含むようです。

後日、学力低下、いじめなども含む学校の問題の解決の私のアイディアを聞いて頂いて適切なアドバイスをお願いしたいと思っています。

参照毎週日曜日,July 11,13,20 投稿