歌に思い出があるように、花や匂いと言うものにも思い出があります。私にとってそんな匂いの一つが「姫榊(ヒサカキ)」の花の匂いです。子供の頃ですから優に半世紀以上も前のことになります。早期水稲の種もみを蒔くための土を山に取りに行っていました。山と言っても野原です。その時に匂っていたのがこの「姫榊」の花でした。また、この野原にはきれいな花も沢山咲いていました。今思うと「翁草」だったと思います。しかし、今はこの野原も立派な杉やヒノキの林に変身していて昔の面影はありません。この花の匂いを嗅ぐと何故か遠い昔を思い出します。