週末は以前から行きたいと思っていた九州最大の沢、上の小屋谷に一泊で行ってきました。
上の小屋谷の耳川合流点から入渓~小国見岳まで合計12時間の長い沢でした、ルートは上の小屋谷~国見谷~国見谷左俣へ入り山頂へ出ましたが藪もなく、きつささえ
克服できればとても快適な沢です。
真夏だが水は冷たい、大きな石のゴーロを歩いていくとすでに体は汗ばみやがて出てきた滝壷にも躊躇することなく全身を漬かり泳ぎが楽しい。
滝は20m、30m、20mと高巻いたがこの沢の最大の難関は高巻でした、1箇所の高巻は中級から上級クラスです。
大部分は数mの小滝や斜滝がほとんどでとても楽しめます、また10m前後の滝も多く比較的簡単に登れます。
途中この谷名の由来である上の小屋は石垣だけが残っており30年くらい昔までは4家族が住んで牛も飼っていたそうです。
昔の奥椎葉のひっそりとしたしかし厳しい暮らしを感じさせる場所でしたが今では杉の立ち木でその面影はありません。
午前中は軽やかな足取りも昼食後には背負った荷物の重みがこたえられるようになり入渓から8時間で打ち切り滝壷のちょっと離れた狭いけどツェルト2張りは十分な砂地にビバーグ。(写真:沢のビバーグ地焚き火の煙がなかなかいい)
焚き火をして風もなく滝の音だけが心地よい最高の夜でした。
翌日は更にゴルジュ帯を進み林道と越えて(門割林道ですが途中崩壊して今は使われていません)当初この林道にテン泊予定でしたがここまで一日ではちょっと厳しいと言う感じです。
更に山頂を目指しますが、参考にした吉川さんの本にもすでにレポートは無い部分を登っています。
1700mを越える国見岳の水は絶えることなく流れており、まだまだ素晴らしい滝も何本かありここまで来ると静かにキレンゲショウマや葉ワサビなどなかなか見ることができない花々が咲き乱れていてしばし厳しい疲れを忘れさせてくれます。
下りは五勇~石堂屋経由尾前まで下りましたが途中藪こぎをしいられて7時間程度かかってしまいました、あとから地元の方に聞くと雷坂は切り分けているそうなのでもし次回いかれる方がいればこれを利用したほうがいいと思います。
奥椎葉の猟師さんはこの谷々を駆け巡っていたいたそうです、「あんたどんが行った所を、おんどんは一日2回も3回もシシを追ってかい上がりよった」「本流がどっちかわからんかったち、あんたどん沢の専門家かい」・・・
谷の名前をしゃべり始めたら止まらない、帰りに話した山の中の一軒家、元猟師のお爺さんの話がとても印象的な素晴らしい椎葉の多分九州の沢では最長の沢だと思う上の小屋谷を心地よい疲れとともにあとにしました。
(レポートyasu)
なお、上の小屋谷沢登りレポート詳細は
「宮崎の林道へいらっしゃい」http://www4.famille.ne.jp/~yasu/kaminokoya.htmにあります。