旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

思想の統制

2014年05月11日 20時28分30秒 | Weblog
江藤淳著「閉ざされた言語空間 (占領軍の検閲と戦後日本)」(文春文庫)と佐藤卓己著「言論統制 (情報官・鈴木庫三と教育の国防国家)」(中公新書)を並行して読んでいる。「閉ざされた言語空間」はGHQの検閲について、「言論統制」は太平洋戦争中の言論統制について論究している。店に陳列された中公新書の中でもっとも厚い本(440ページ)なのでつい買ってしまった。戦時思想界の独裁者が行った厳しい言論統制は伝説として語り継がれている。鈴木庫三の極貧生活から辛苦勉励の末の立志伝でもある。
村上秀著「論文捏造」(中公新書ラクレ)は、たまたま「言論統制」の近くにあった。10年余り前にアメリカの名門、ベル研究所でおこったチーム・リーダー、シェーン博士(当時29歳)による論文捏造事件を取り上げている。この事件は明らかに理研、小保方さんの例と似通っている。2006年に発行されたこの新書が昨日の朝日新聞で取り上げられていた。