旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

2014年05月04日 20時53分32秒 | Weblog

3年ぶりに庭の倉庫を掃除して半年ぶりにビラカンサスを剪定した。気にかかっていた二つの仕事を終えて気分を良くしたところで、昨日買い込んだメルビル作八木敏雄訳「白鯨」(中)(岩波文庫)を読み始めた。
  「白はそれ独自の美質を他に添加し、その美を洗練して引き立てるはたらきがある。」あたりから「第42章 鯨の白さ」でメルビルは白という色彩の性質について説きはじめ、「生気を失った宇宙は廃人のようにわれわれの眼前に横たわり、万物を色づけして見せる色眼鏡をかけるのを拒んだ強情なラップランド(スカンジナビア)の旅人のように、あわれな背信者は視力を失い、彼の周りの全景を巨大な白い経帷子(きょうたびら 死衣裳)でつつみかくしてみるのがさだめなのである。そして、あの白子鯨こそがこれらすべての象徴である。ならば、この熱狂的な追跡に何の不思議があろうか?」と啓示的に第42章を締めくくる。
 そのあたりまで読み終えて「白鯨」(下)の目次を読んでみて驚いた。なんと目次が全くいっしょなのだ。昨日、「白鯨」(中)を買ったので全3巻が揃ったと思っていた。欠落していたのが実は下巻だったことにようやく気が付いた。
 本日、
「白鯨」(下)を買うためにブックオフに寄ってみた。与謝野晶子訳「源氏物語」全3巻(角川文庫)があったので「白鯨」(上)(下)に併せて買った。「桐壷」「帚木」を久しぶりに読んだ。帚木には「雨夜の品定め」がある。高校時代に「品定め」を読まされた記憶がある。「帚木」の舞台では光源氏が17歳であるにしても、高校生に「品定め」とは、なんとも・・・早すぎるように思う。