「かなり自己主張が強い方じゃないかとお見受けしました。これまで、まわりと協調してやっていくことにご苦労されたのじゃないかと推測します。この点についてお心当たりがあればお話いただけませんか?」面接が始まって25分が経過した頃、こういう唐突な質問をされた。しばし言葉がでなかった。
「理論とか論理とか、確かな知識とか、そういう点に着目して相手の言動に確かさ、一貫性がないと判断した場合、その相手が誰であろうと正面から反駁してしまうことがありました。ありました。ということはすでに過去形で、この年になってようやくそういう確かさや論理の一貫性よりも、同僚や上司と協調して仕事をやり遂げるようなおおらかさが身についてきたように思います。そういう風に相手をやりこめるような懸念はないと思うのですが・・・。」と実態から離れた、しかも心にもないことを応えてしまった。暗澹とした気分だ。
「理論とか論理とか、確かな知識とか、そういう点に着目して相手の言動に確かさ、一貫性がないと判断した場合、その相手が誰であろうと正面から反駁してしまうことがありました。ありました。ということはすでに過去形で、この年になってようやくそういう確かさや論理の一貫性よりも、同僚や上司と協調して仕事をやり遂げるようなおおらかさが身についてきたように思います。そういう風に相手をやりこめるような懸念はないと思うのですが・・・。」と実態から離れた、しかも心にもないことを応えてしまった。暗澹とした気分だ。