旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

雇用問題

2010年01月17日 09時20分08秒 | Weblog
民間企業の場合、一般にマニュアルというものがあってマニュアル通りに仕事をすることが出発点になる。哲学用語でいう演繹法とは「組み立てた理論によって特殊な課題を説明する」という手法をいう。公務というものはもっとも厳格な演繹的手法によって運営されているものだと考えていた。

同じく哲学用語では「個々の具体的な事項から一般的な命題を導き出す」手法を帰納法という。私が帰属する役所では、末枝末端の例外を基本的人権の精神に照らしながら社会保障の枠内に取り込んで一般化する努力をしている。このあり様は帰納法的だ。私の考えや先入観は誤っていた。

これまで役所は、法律による厳密かつ演繹的な手法で国民を振り分けてきた。ところが国民は、政権の交代によって名実ともに国の主権が国民の側にあることを知った。国民の側が行政を振り分けていく時代が到来しているのだ。あとは、主権者である国民の側が予算の範囲内のサービスにどこまで耐えることができるのか、主権者意識と忍耐のバランス、このあたりが問題になってくるのであろう。

ようやく頭と体が正常に機能し始めたようだ。思えば末端の公務員に任用されてからというもの仕事を覚えることに懸命で余裕の微塵もなかった。