旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

加藤周一

2009年10月11日 23時53分58秒 | Weblog
なつかしい名前に出会った。鈴木いづみそのひとである。作家にしてポルノ女優。36歳で首をくくって果てた。廃刊になった月刊「現代の眼」に、毎月このひとの「愛するあなた」というエセーが掲載されていた。みずみずしい女性に固有の感性を感じた。だから、夢中で読んだ。私の女性観はこのひとと「婦人公論」からの影響が大きいように思う。

岩波書店から「加藤周一」の自選集が出る。若かりし頃、彼の「読書術」から大いに影響を受けた。「日本文学史序説」はわたしが文学に興味を持つきっかけになった。迷わずもとめることにした。以前ならば古本になるまで待って格安で購入したことだろう。が、今回は違う。カビではなくてインクの匂いがする新本の購入になる。活字文化を擁護するためにも質の高い出版社にはしっかり儲けてもらわなければならない。本の購入に関して心境の変化というものが起こりつつある。