旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

新堂冬樹著「カリスマ」

2005年09月08日 21時50分16秒 | Weblog

おどろおどろしい作品である。物語は似非教祖の学童時分の特殊な体験から始まる。新興宗教の熱心な信者になった母親は夫に悪魔が乗り移ったと狂信した挙句、殺害する。そして、陰部に出刃包丁を刺し込み腹を切り裂いて恐怖に慄く息子に腹の中に悪魔がいないかどうか探れと腸を差し出す。それでも小学校4年の息子は腸に詰まったうんこや体液の異臭と格闘しながら、腹からはみ出た腸を母親の腹の中に納めようとする。そして間もなく母親は息絶え、血と汚物の海の中で息子は母親にしがみついて泣き喚く。
その後、少年は屈辱にまみれた人生を送っるが、あるきっかけから新興宗教の世界では騙しても感謝されることがあることを知り、宗教で儲けることを思いつく。数年後、男はメシアと呼ばれる教祖となり2000人ほどの信者を抱える。そして若き女性信者たちはメシアの餌食になってゆく。少年の復讐が始まったのだ。
信仰というものの妄信性を余すところなく描いている。つい信仰について立ち止まって考えざるを得ないほどの毒気を持った作品だ。メシアと呼ばれる教祖はあらゆる詐欺的手法をもって悩みを抱えたひとににじり寄っていく。かれは自身が詐欺師であることを自覚している。だから、慈愛に満ちた顔を演出するために数百回も鏡に向かったし、問答の訓練をあらゆる宗教書から剽窃した。また最も重要な沈黙の効用についてはあらゆる女性体験から学び続ける。

詐欺と宗教、似て非なるものなのかどうか・・・。


ノウハウ

2005年09月08日 20時23分28秒 | Weblog
わたし、
「亀井さんとは同窓です。頑張ってください!」
郁夫さん、
「ほうほう、ありがとうございます。ところで、お託さんのお名前はどういわれましたかいの?」
わたし、
「○○です。」
郁夫さん、
「苗字は知っとります。○○さん、お名前の方ですがの。」
わたし、
「△△ですよ!」
郁夫さん、
「そうそう、○○△△さん、その節はお世話になりましたの。近頃、歳のせいか、苗字の方はよお覚えとっても、お名前の方をついつい忘れましての、○○さん。」

もちろん、わたし(○○△△)は郁夫さんとは初対面!?
政治家には、こういった種類のノウハウが結構多いのです。