先週の金曜日のこと、3ヶ月ごとの診察に行く老妻を日赤前で降ろしてから、春採湖へ出掛けた。診察が済むまでにはけっこう時間が掛かるだろうから、久しぶりに湖畔をぶらつきながら、老妻からの連絡を待つことにしたのだった。
朝の気温は、今年の秋一番の下がりようで3度を下まわったが、よく晴れていた分、また周りの山が湖岸近くまで迫っているお蔭で、湖岸いったいは風が無く穏やかで暖かかった。少し歩くと暑ささえ感じるほどになった。
用心して重ね着したジャンパーは間もなく脱ぎ、さらに風除けにと老妻から借りて首に巻いたスカーフも外してしまった。
その暑さを感じたのは私だけでは無いようで、歩き疲れからかまた暖かさの心地よさからか、ベンチに寝ていた。近づいても身動き一つしないで、いかにも気持ち良さそうに寝入っていた。
この時季たとえ多少暖かいからと云っても、こんなことは滅多に見られない光景だ。
さて、ブログ格好のネタにでもと、せっかく遠出をして来たのだが、湖岸の周りは、まさに秋たけなわでおおかたの草木は枯れていた。そんな中でオオイタドリの花だけが、ところどころ枯れ色を見せながらも、精いっぱい山の斜面を飾っているだけだった。
後は日ごとに数を増している赤とんぼと、いつ来ても賑やかに迎えてくれるお馴染みの魚、緋鯉や真鯉たちだけだった。
ややがっかりして車に戻ろうと歩き始めた。ところが来るときは快調だった足取りは、次第に重くなり歩みが思うように捗らなくなった。
やがて坂にさしかかり半分も登らないうちに、今度は息苦しささえ感じるようになり、車までのたかだか500メートルほどの坂道が遥か遠くに思えて、辿り着けるかとの不安が、頭をかすめた。
途中何度も何度も立ち止まって息を整え、またベンチがある場所では、格好見栄も無く横になって休憩んだ。
日頃は、あまり自覚していないことなのだが、今日春採湖の坂道で初めて知った体調の衰えだっただけに、強い不安と戸惑いを感じた。
普段春採湖へ来たときは湖畔下から歩き始めるのが常だったのだが、今日は別のコースからと思って、元の少年科学館横の駐車場から坂道コースを選んだのだった。帰りが上り坂なのは、初めから分かっていた筈なのに、ネタ探しに欲張ったばかりに、とんだ失敗をしてしまったようだ。
まさに{往きはよいよい帰りは怖い・・・}のコースだったのです。
下からコースならともかく、上のコースはとうてい無理だと云うことをしみじみと思い知ったのだった。
おそらく春採湖へ来るのは今日が最後で、或いは来年は無理かも知れないと思うと、これも年齢からも当たり前との諦めは勿論ながら、こみ上げてくる寂しさに、強く打ちひしがれていた。
秋色が漂い始めた春採湖
目に付いたのはいまだ枯れずに残っていたオオイタドリの花だけ
いつも迎えてくれる緋鯉と真鯉
陽をうけて銀色に照り映えるススキ 日ごとに数を増してくるアキアカネ
的確なアドバイスを頂き感謝しております。老妻からの連絡で少し焦っていたのかも知れません。
ただ持病ですから、気長に付き合って行くしかありません。
それにこの日は暖かかったのですが、最近の急な気温の下がりにも影響されているのでしょう。
まだまだブログは続けて行きますので、どうぞ宜しくお願いいたします。