昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

黄葉していたホオズキ

2007-11-23 17:25:23 | じゃこしか爺さんの見て歩る記
 道内から東北にかけて、積雪や吹雪模様が伝えられるこの時季には、まったく相応しくないブログですが、前にもお断りしたように、体調不全中に散歩がてらにぶらついた折に撮ったものです。
 時季外れになったからと、そのままボツにするには忍び難く載せました。

 先日少し離れた住宅街にあるスーパーの帰りでした。この住宅街は市内でも特に混み合っている住宅街で、家の数が多い分だけ色々な様式の家が見られ、またその家付きの庭などで、多くの植物類が楽しめるところでもあります。
 時おり隣町の大型店の帰りにも、この住宅街に入り込んでは各家の庭の花を見て廻ることも少なくありません。
 ただし今は時季的に晩秋から初冬のために、賑やかだった家々の草木は枯れ尽くして見るべき物はまったくありません。がっかりして帰りかけたときに眼に付いたのが、ホオズキでした。
 これまでにも、他の住宅街の庭でも見かけたことはありましたが、大抵は多くても5本ほどでした。ところがこの家でのホオズキは、庭の半分ほどの広さが全部ホオズキで占められていたのです。
 普通の家のように見えましたから、商売用でないのは確かそうでしたが、まさかわざわざ家の人を呼び出してまでこともなかったので、写真だけは撮らせてもらって来ました。

 このホオズキを見るたびに、遠いまだ幼かった頃の樺太でのことが想い出されます。長屋の裏の僅かな土地に植えてあったホオズキが熟れる頃のなると、母は姉(長女)ホオズキがなるように教えていた。
 昔はどこの家でも母親が女の子に教えていたのですが、世の中のしきたりが目まぐるしく現代、そんな光景を目にするのはおそらく不可能でしょう。

 今は、老妻が嫌がるのを無理強いして鳴らして貰うしか手はないのですが、今の老妻の年齢からして、それはとうてい無理なことですから、やはり胸の中にひそかに秘めて置くべき想い出なのでしょう。

住宅街の一画で目にした黄葉のホオズキ