昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

福寿草

2007-03-26 18:28:50 | じゃこしか爺さんの見て歩る記
 春彼岸も過ぎた先日の午後、近くの量販店の本屋へ徒歩で出掛けたついでに、散歩でもとその周辺の住宅街を歩き始めた。
 彼岸が過ぎたと云っても、高い建物や余り日の入り込まない家並みの陰などには、薄汚く汚れた雪がまだ残り、各住宅の何処の裏庭も何の見映えもしない枯れ色一色で覆われていた。
 珍しく風が和らいでいたから夕焼けの写真でもと、川岸までも足を伸ばすことにして歩き続けた。
 地区の児童公園横のとある家に裏手の方から、夫婦らしき話し声が聞えて来た。どうせ急ぐこともない時間潰しの散歩の途中だったので、その声に誘われて廻って見た。
 そこに居たのはやはり買物帰りの、私と同年輩と思われる老夫婦で、どうやらそこの家の庭に咲く「福寿草」を話していた。辺り一帯の目に付くもの全てが枯れ色ばかりのこの時季、花屋でならともかく戸外での、その福寿草の黄色はあまりにも新鮮だった。
 私たちの話し声に気付いたのか、その家の老夫婦も会話に加わった。やはり暖冬のせいで年々咲くのが早くなっているそうである。私の家にもたった一株だけあるが、日当りが悪い所為か咲くのはまだまだ先のことで、恐らく来月の20日過ぎ頃になるだろう。
 そこで一株くらいなら無心しても良いのではとの、勝手な思いからの言葉が出掛かったが、初対面でそれはあまりにも図々しいことだと、そこはぐっと堪えて写真だけにしてその場を離れた。
 
 まだ枯れたままの躑躅などの根もとに咲く今年一番の福寿草!

その家の庭の片隅には解けかかった雪がまだ残っていた