裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

調子に乗って

2018年04月07日 18時00分11秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
さて、水底で安定したはいいが、この環境はいいことも悪いこともある。
まずいいことは、奇妙な水流に巻き込まれての破損や破裂の心配が少なくなった。
あっちにこっちにと不安定に流されることもなくなったし、これは具合いがいい。
悪いことは、地べたに接地面が取られているために、表面積が減ってしまった。
からだの維持管理に必要な要素があっちからやってきてくれるのを待つのみの身にとっては、その可能性を少しでも削ってしまうのは命に関わる一大事だ(まだ生まれてない命だが)。
かといって、彼にはまだ「自分から出向き」「能動的に獲得する」などという野心はまだない。
そもそも主体的に動けない彼は、あくまでも受け身なのだ。
それでも、できることだけはやるしかない。
彼はいいことを考える。
体表面が減ったのであれば、増やせばいい。
すなわち、大きくなればいいのだ。
ただし、それには問題もある。
やたらと巨大化したとして、彼を取り囲む膜の強度はもつのだろうか?
泡が破れれば、ここまでの努力が水の泡だ。
仮に球体の直径を二倍に増やしたとして、膜の厚みが二倍になってくれるわけではない。
つまり、あぶくには大きさの限界があるのだ。
では、長さ方面に成長してはどうだろうか?
膨らむのではなく、細く長くなるのだ。
これはいい考えに思えるが、それにも表面張力と水圧という問題があって、形状を保つことができない。
一定の体積を持つ柔らかいものは、周囲から一様な圧力を加えられると、表面積が最小である球に限りなく近づこうとするのだ。
ではどうすればいいか?
ふと、素晴らしいひらめきが、彼を打った。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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