裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

サヴァン(異能のひと)

2014年02月24日 09時25分15秒 | Weblog
工房の階上にある三部屋のうち、一部屋は「ピアノ演奏ルーム」とは名ばかりの、段ボールが野積み状態の物置き部屋だったわけ。
そこをよめはんから拝領し、書斎として再開発中。
自分(しはん)の一切の私物をここに持ち込み、ひとり暮らしの空間にするのだ。
そんなわけで、よめはんの持ち物(段ボールの中身のほとんど)をこの部屋から追い出し中。
よめはんには、他の二部屋の広大な壁面と、家具&収納すべてを明け渡したんで、いかようにも配置していただける環境になってる。
ところが、このお方の片付けられないようときたらドギモを抜かされるくらいのもので、今や、キッチンリビングと寝室が物置き部屋と化す逆現象が起きてる。
左様、彼女は整理整頓できない&捨てられないという重い病を患ってるんだった。
洗濯物をたたむときなども、自分の衣類、オレの衣類、キッチンもの、バスもの、工房で使用するものがまったくランダムに積み上げられてるんで、たたんで重ねられたものを今一度解体し、選り分けたのちに、各地に移送・収納せねばならない。
それが二度手間であると説明しても、まるで理解できないようなのだ。
要するによめはんは、頭がぽわんとしてるひとなのかもしれない。
が、空間認識ができないのかといえば、そんなわけでもないらしい(当世一流のデザイナー氏なんだからあたりまえだが)。
ある日、外から電話をかけてよこす、いわく「今からおとうとおかあに会うから、お正月に渡しそびれたお年玉を持ってきて」と。
どこにあるのだ?と訊くと、あのチェストの何番めの引き出しの前から5センチほどのところにはさんであるはずだ、と言う。
その引き出しをあけてみると、領収書、DM、銀行の明細ハガキ、どうでもいいお知らせ書類など(どれもオレなら一瞥してゴミ箱に叩き込むシロモノだ)が、ギッシリ高密度かつめちゃくちゃに詰め込まれてる。
こんなとこにお年玉が入っとるわけないやろが、寝言は寝てから言えや、とブツブツ言いつつ、件の手前5センチなる場所を掘り起こしてみれば、ぎょぎょっ、確かに捜してたお宝が眠ってるではないの。
どういう隠し方やねん・・・そして、どういう記憶法?
サヴァン症候群を疑うよりほかない。
またあるときは、オレが「書棚を新しくしたい」とつぶやいたところ、それなら無印のカタログがあるからそれで選べ、と、ひょいと棚に手を伸ばす。
その一角だけは、彼女が愛してやまない「ロッキンオン」と「クロスビート」という音楽誌がきちんと保管されるのだった。
が、その何冊めか(まったく無作為な位置に見えた)から、ひょいと無印良品の家具カタログが出てくるのだ!
なぜ?・・・なぜその一冊だけがその崇高な座に?
しかも10月号と3月号の間・・・
わからない・・・ほんとうにわからない・・・
「かないくん/死んだらどうなるの?」という最近話題の、谷川俊太郎と松本大洋が共著した絵本を買ってきて、いつまででもリビングの床にほっぽり出してあるので、片付けよ、と命じると、はいはい、と書棚に突き入れる。
が、その場所が、今確認したところによると、「エクセル&ワード2010自由自在」と「これなら伝わる!英語術」の間である。
どういうことやねん・・・
そんなわけで、わが家はいつまでたっても荒れ果てる一方なんであった。
ま、いいけど、オレには整然と必要最小限に刈り込まれた書斎があるし。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すごい

2014年02月21日 19時27分52秒 | Weblog
まさか自分が徹夜でフィギュアスケートなんてものを観るとは思わなかったし、さらに胸が熱くなって涙チョチョ切れさす(しかも夫婦で)なんてことは考えてもなかったよ。
だけど、不覚にも心動かされた。
スポーツを観て感動するって、こういうことなんだね。
真央ちゃんって存在は尊いなあ・・・
「勝つ=打ち克つ」って意味を知らされた気がするよ。
一方のヨナさんは、怖い、怖いと思ってたけど、けっこう薄っぺらだった(素直な印象ね、ごめん)。
優勝したロシア選手の演技からは圧倒的な熱が伝わってきて感動的だったし、真央ちゃんは壮絶な演技構成で自分自身に真っ向から挑戦して見事にやってのけたし、銅メダルのイタリア選手も美しくのびのびとしかもたのしそうにすべってて魅了された。
だけどこの韓国選手だけは「できることを並べてお茶をにごしとこう」って姿勢が見え見えで、流暢で高度に洗練されてはいたけど、前向きさがさっぱり伝わってこなかった。
他の選手と比べて、熱量があまりに足りなかった。
これじゃ金メダルには届かんわ、とはっきりと感じたし、このひとに金メダルを獲らせるのはよくないことだと思ったよ。
上手に得点は稼いだけど、誰が観たって、心を振るわせられたのは真央ちゃんの演技の方だ。
関係ないけど、むかしむかしにダウンタウン松本が大喜利で、「金、銀、銅。その他にメダルを設けるとしたら、なに色?」というお題に対して、「さくら色やな。金の上に」って答えてたのを思い出したよ。
そいつをあげたいよ、真央ちゃんに。
ふさわしい、うん。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうしょもないかんね

2014年02月18日 11時26分09秒 | Weblog
「内観」って言葉をはじめて知ったとき、ああ、酒を飲んだときの現象だ、とすぐに思ったよ。
自分の内側をのぞき見ちゃうんだね。
で、さまよっちゃう。
あまりに酩酊すると、深いところに触れすぎて、痛すぎて、思わずうめいちゃう。
「こういうことだったのか!」と、不意に合点がいっちゃうんだね。
自分の正直な部分と外づらとのギャップに気づいちゃう。
本性の部分は、自分でさえもそうすることでしか知れないんだなあ。
せっかく隠してたのにね、自身にさえ気づかせないように。
だけど、触れずにはいられなくて、ついまさぐっちゃうんだね。
そうして精神の痛覚に耐性をもたせてくんだろうなあ。
酒を飲まないひとは、こんな内側のドロドロした部分をどう処置してるのかな?
強いな、飲まないひと。
などと。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする