裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

着色

2008年02月16日 08時26分07秒 | Weblog

今や、卵の黄身にも着色する時代なんだって。
「いったいどの時点で?」なんて、今話題の中国産餃子みたいな話ですが。
まあ要するに、ニワトリのエサに天然着色剤(サフランとかクチナシとか)を入れて、色をコントロールしてるんだそうな。
黄身はもともと薄い黄色なんだけど、オレンジがかってると新鮮に見えるし、食欲もそそるってわけ。
生産業者はこのあたりのノウハウを熟知してて、ちゃんとカラーチャートで色合いを決め、そのとおりにニワトリに産ませる。
小売業者「この色の黄身で産ませてください」
生産業者「わかりました。じゃ、○○%配合しときます」
ちょっと恐いやり取りですね・・・
この調子で、養殖サケの切り身の色なんかも決められます。
肌合いが濃い方が、日本人にはウケがいいらしい。
色見本を持ち歩く養殖業者の姿は、一種異様に見えます。
ペンキ屋さんじゃないんですから。
こんなことしてて、ほんとにバチあたんないのかな?
もはやこの時代の飽食は、神様の領域まで侵犯してるように思えますが・・・

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園

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こま犬

2008年02月05日 09時19分34秒 | Weblog
こま犬は「阿」と「吽」対で一組。
だけどコンビなのに、ふたりは同じ種族じゃないらしい。
向かって右側にいる口をあんぐり開けたのが獅子、左側で口を真一文字に結んでるのがこま犬なんだ。
彼らはスフィンクスの子孫なんだけど、はるばる日本に渡ってきたときには、ご存知のとおり「あ」と「ん」で対になってた。
陰と陽、凹と凸、吸うと吐く、出口と入り口、ちんちんとおそそね。
中東にもインドにも中国にも朝鮮半島にも似たようなものがあるんだけど、左右対称じゃないのは日本のものだけ。
シンメトリーよりも、秩序の破綻を面白がる日本人の美意識がこの様式を好むのかもね。
こま犬は誕生以来ずっと、やんごとなきお方の御簾(みす)の重しとして使われてた。
それが転じて、神社を守る番犬となったってわけ。
こま犬やシーサーをつくるときは、こんなことも覚えておくといいね。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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イチロー

2008年02月01日 10時48分07秒 | Weblog
イチローのインタビューを観ました。
相変わらず生意気で自信たっぷりナルシストな雰囲気を振りまいてたんだけど、やっぱ天才でした。
彼のすごいところは、深く深く考えてるとこです。
突き詰めて突き詰めて、考え抜いて、解答を出して、それを自分のものにするために骨を惜しまない。
彼が全身から発散する「わかっちゃってる感」は、本当に彼が「真実をわかっちゃってる」からなのでした。
一時間のインタビューの間に、何度も何度も心動かされました。
「バットの先にまで触覚神経がつながってる」とか、「その感覚を忘れないために他人のバットは決してにぎらない」とか、「50歳で四割打ちたい」とか、「あいつ遊んどるなー、と言われるようなプレイをしたい」とか、「引退するときは、腹が出たとき」とか・・・
これは達観に近いようにも思えるけど、彼の口からこんな言葉が出ると、むしろリアリズムになってしまいます。
そして彼が他のプレイヤーから際立って優れてる点は、この超人的な感覚をひとに伝えられる独自の言語表現を持ってるってこと。
彼の言葉はわかりやすくて、伝わりやすい。
つっけんどんに見えるけど、むしろ親しみやすく、ひとをひきつけます。
本当に頭のいいひとだと思います。
そしてこのインタービューにオーバーラップさせて、数々のプレイが映し出されまして。
世界一美しい打球、誰にもマネのできない身ごなし、百年後まで語り継がれるプレイ・・・
なんという芸術!
「『作品』と呼ばれるようなプレイをしたい」
↑他のプレイヤーがこれを口にしたらバカだけど、イチローにとってこのセリフはリアリズムなのです。
やっぱ天才でした。
このひとがナルシストに陥るのはもうどうしようもない運命だ、うん。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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