ジャズトランペッターの日野皓正が、コンサート中に言うことを聞かない自分の教え子にビンタしたんだってさ。
相手は中学生だよ。
この「体罰は絶対禁止!」の時代にね、ほほー・・・
これだから軍隊式教育信奉のジジイは始末に負えない。
「それはダメなんだよ、おじいちゃん」と誰か言ってやれ。
このトランペッター氏の言によると、「あいつとは心でつながり合ってるからいいのだ」だってさ。
バカか。
断言するが、このふたりの間には信頼関係なんて一切ない。
一年間のつき合いで、4ヶ月間もひざ詰めで練習してたようだけど、その間ほんとに「心がつながってた」と感じられてたのかね、トランペッター氏は?
映像も観たけど、ビンタされた中学生の、トランペッター氏に対する軽んじ方は、「師匠とも思えない師匠をはなからバカにした態度」「反抗を超えたシカト」だ。
そんな中坊の髪をひっつかみ、スティックを取り上げ、往復ビンタする、自称「心を通い合わせる師匠」。
両者のお互いに対する振る舞いには、どこにも信頼性なんて感じられなかったよ。
しかも、細腕の中坊(テレビ映像では、本当に肩の細いただの子供だ)を、暴力を用いてしか言うことを聞かせられない指導者って、音楽教える資格あんの?
そういう未熟者は、人間を扱うのなんてやめて、演奏だけしてなよ。
トランペッター氏の粗暴さ、単純さ、知性のなさには呆れるしかない。
殴るのは、信頼関係の放棄であって、自分の至らなさの白状だ。
まったく、悲しくなってくる。
それよりも驚かされるのが、世間の見方だよ。
「日野さんは悪くない」「立派なミュージシャンだ」「このケースは仕方ない」のオンパレード。
偉いひとを前にして、ぽわ〜んとしてしまって、思考が止まっちゃうんだろうなあ、あわれ・・・
芸能人たちにも、トランペッター氏(自分たち側の人間だもんね)をほめそやして事件をうやむやにしようとするバカが目立つけど、そのスタンス、一生貫けんの?
例えば、この映像のビンタする人物が、実は田舎中学の音楽教師でした、としたらどうなる?
同様にほめそやす?いや、しないね。
むちゃくちゃな袋叩きにするんだろ、いつものように、報道は。
まったく気持ち悪い。
トランペッター氏擁護の論調は、「教え子へのビンタは世界的なミュージシャンなら許される」と言ってるに過ぎない。
こういう、権力に媚びて本質をゆがませられる便利な頭の人間って、大嫌い。
日野皓正よりも、日野皓正を許そうって人間が、オレにはヘドが出そう。
そういう人間はいっそ「体罰賛成」と言ってくれれば、オレには納得できる。
最後に、考えてみたらいい。
ウイントン・マルサリス、って名トランペッターがいる。
知的で、教え方にも長けてて、バークリー音楽院でも教鞭をとってる世界最高のミュージシャン。
このひとが、まったく同様のケースで、教え子のローティーンを殴ったら、と考えてみる。
永遠に軽蔑されるだろうね。
いや、むしろ、永遠に演奏する場と、音楽を教える場を失うにちがいない。
このひとは、殴らない(たぶん)。
それをしないから、すべてのジャズファンから愛され、尊敬される。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園