裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

世界のつくり/意識編・13

2024年04月18日 12時14分54秒 | 世界のつくり

13・すべては幻想、ってまた

精神的な働きもまた物質の作用に根ざした実在である、ってのが唯物論だ。
意識も記憶もタマシイと呼ばれる霊的操縦者も、すべては物理現象の拡張に過ぎませんよ、って説ね。
これに異を唱えるのが、主体性を持った生命(基本的には人間を指す)は不活性で機械的な自然物から切り離された特別な存在である、とするプラトンからデカルトに至る二元論。
また、唯心論ってのもあって、この世のすべては意識が決定づけるもので心の働きこそがあらゆる存在の要因だ、と説く。
これらは、現代の最先端科学(哲学と言い換えてもよさそうだ)である量子力学をベースにすると、同じことを言ってる印象になる。
人類が「つぶ」「もの」と考えてるものは実は波動に過ぎず、その波の相互作用が、質量や力などの物理現象として現れる。
波があるばかりの外界を、われわれは感覚器によって理解しやすく記号化し、世界を組み立ててるわけだ。
波がわれわれを構成する一方で、われわれは波を解釈して物質的実在世界とし、その実在世界における理論上の存在として波の世界を説明してるわけで、このいったりきたりのふたつは裏表一体の、いわば二元論の構造になってるわけだ。
その元をたどれば、唯物論に収斂できる。
「波の解釈」の部分はわかりにくいが、聴力で例えてみる。
街には音というものが実在するわけじゃなく、空気の震え、すなわち波があるばかりなんだ。
その空気の波を、人類は耳で拾い、鼓膜を揺さぶらせて増幅し、さらに管の中のリンパ液を波打たせて聴覚神経に伝え、電気信号化されたその情報は脳内の聴覚野で「周波数」「メロディ」「発語」として解釈され(つまり「実在」につくり上げられる)、ああこれはスーパーフライさんのなんとかという曲だ、と認識される。
が、実際の外界にはスーパーなんとかの歌声なるものが実在してるわけじゃなく、込み入った空気の波の重なり合いがあるだけなんだ。
すべては、こちらサイドの機能が勝手に解釈した結果に現れ出た幻想に過ぎないんだった。※1
量子力学は、この世のすべては数学的存在だ、と暴く。
くわしくは以前に書ききった章に説明をゆずるけど、とにかく唯物論に言わせれば、意識なるものは気体と水と鉱物から発生した!となる。
そもそも、われわれの時空間とは別の次元に意識が存在してるのだとすれば、それはビッグバン以前からあったものだろうが、宇宙開闢の瞬間に物理定数とベクトルの初期値が与えられて以来、わが惑星の地上に生命体が発生するまで、それらの計算値とエントロピーに操作の意図が働いた形跡は見られない。
意識は、この地上において、ある瞬間に生じたものなんだ。
彼にそれが今、萌芽したんだった。

つづく

※1 スーパーフライさんの歌声が実在か幻想か、あるいは空気の震え自体が歌声の裏に隠された幻想か実在なのかは永遠に判別できないし、これらは両立してる。よって、量子場もあなたの主観的世界も実在であり、双方が幻想であり、つまり一体なんである。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園

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