裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

あるチャンピオンの物語

2013年11月20日 09時24分57秒 | Weblog
悲しみしか残らない試合だったなー。
完全アウェイで、しかも韓国での試合となれば、亀田側が勝っても、相手が勝っても(亀田家は嫌われてるから)、日本の視聴者は溜飲を下げられるはずの試合だった。
だけど、あれだけボコボコに打たれまくって、ダウンまで取られた挙げ句に、右手を上げさせられちゃうんだもんな。
ベルトを巻かれても困惑するしかないコーキの気持ちはわかる。
コーキ本人も悪童だが、それよりも、ジムやプロモーター、それに取り巻きがどうしようもなく悪辣なのだな。
コーキはパンチのないボクサーで、カメが甲羅にもぐり込むように顔をがっちりとガードして、ちょこちょこと細かいパンチを当ててポイントを稼ぐしか、勝つ戦術がない。
金目当てのプロモーターが対戦に連れてくるのは、世界ランキングで相当下位の連中ばかりなのに、それでもKO率はまったく上がらず、ギリギリで王座を防衛してきた。
だけどアウェイでの試合となれば、判定でのサービスは期待できないんで、倒しにいくしかない。
いつになく打ちに出たけど、世界で通用するようなパンチじゃないんで、ちっとも効かない。
逆に、「世界ランク14位のザコ」のこの相手のパンチが、顔面に当たるわ当たるわ(いつものおびえまくりガードがないからね)。
これで挑戦者の手が上がってたら、まだ格好はついたのに、どんだけ強い力持っとんねんプロモーター、勝ったのは顔がフルボッコに変形したチャンピオン・コーキくん。
これでまた、テレビの前で威勢のいい啖呵を切りまくって、「最強王者」を演じなきゃいけない。
「悲しみのチャンピオン」・・・ってそのまんま映画にしたら、けっこう傑作になりそうな前半生だ。
だけど、大切なのは後半生だよ。
これから4階級を制覇してくれるらしいけど、それを成すにふさわしい実力を身につけて、ふさわしい対戦相手と、ふさわしい試合内容を戦ってほしいよ。
そして、最強王者を名乗るなら、ふさわしい品格を身につけてほしいな。
ほんとに、ほんとに、ほんとにやるせない試合だったよ。

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ピタゴラス音律、続編

2013年11月14日 10時21分03秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
みんなが大好きな「ピタゴラス音律」の続報だよ。
こんな話題が好きなの、オレだけかな?
ピタゴラスの探った音律は、純正5度の音が周波数比で(物理学的に)ピタリと調和してるので、「純正律」と呼ばれてるんだ。
つまり、ドとソや、レとラのハーモニーに、一点の曇りもないの。
この「純正律」は、わかりやすく言えば、キー7個分ずつ飛び飛びの音を積み上げて積み上げて、7オクターブかけて13個の音を採取したものだよ。
ド→ソ→(1オクターブ上の)レ→ラ→(また1オクターブ上の)ミ・・・という順に、等距離の音を7オクターブ分のスペースからかぎまわって集めまくったわけ。
最終的に、それら全部をシャッフルし、高低順に整頓して、オクターブいっこ分のスペースにコンプリート。
ドレミファソラシドが構築された。
ところがこのやり方だと、ほんの少しの誤差が積もり積もってくらしいのだな、分数で探って整数解に還元してるから。
ドからはじめて、ミを探り当てるまでに、すでに80:81って誤差が生じてるらしいの。
それをどんどん押し進めてくと、スタート地点での低いドと、7オクターブ先の高いド(シ♯)では、ユニゾンできないくらいに狂ってくるんだと。
だから純正律では、この狂いを直すために、シの♯が、最初のドと周波数比でしっくりくるように同音に調整されてるんだ。
こんな具合に、音階に整数比でピタリとくる配列は存在しないんで、「気持ちわるいで、1オクターブ分を12できっちり割ろまいか」と平均値をとったものが、「平均律」という簡便な音階だよ。
これでも、純正律でピタリとハモってたドとソの音で、1/12って周波数の狂いが出るんで、気持ちよくはないらしい。
この狂いが、歴代のそのスジの人々を悩ませてて、いろんなえらい数学者・物理学者たちが、いちばんしっくりくる周波数比の並びを研究してるんだよ。

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ピタゴラス音律

2013年11月09日 09時00分04秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
「ドレミファソラシド」って音階は、ピタゴラスがつくった(発見した)って知ってた?
そのきっかけというのが、鍛冶屋さんがトンカントンカンと鎚打つ響きから、「はたっ、あの音とあの音は調和してるぞっ!」とひらめいたことからはじまるのよ。
それは、今で言う「ド」と「ソ」の、むずかしく言えばオクターブの2/3という周波数比の二音だったわけ。
さらに、そのドからソまで上げたのと等距離(純正完全5度という)を、今度は「ソ基準」でコマを進めると、オクターブまたぎの「レ」の音が求められる。
次に「レ基準」から等距離を進めば「ラ」、そして次々に「ミ」「シ」が得られるわけ。
最後に、スタート地点のドから逆向きに等距離をさかのぼる(つまり純正5度だけ下げる)と、最後の「ファ」の音が得られる。
この7つの音を1オクターブ内に背の順に整頓したら、「ドレミファソラシド」になった、というわけさ。
さらに前後に5度(半音階七つ分)ずつ進んでいくと、黒鍵の音(シャープとフラット)も得られるよ。
数学書を読んで、実際にピアノで試してみたら、ピタリときて感動したよ。
すごいぜ、数学。
ちなみに(何度も書いてるけど・・・)、ピタゴラスの時代、数学と音楽は同じカテゴリーだったんだ。
空間を分割するのが幾何数学で、時間を分割するのが音楽だからだよ。
それにしても、周波数を数学的に分割すると耳心地のいい調和が得られる、ってのは不思議だよね。

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姫様のおたわむれ

2013年11月04日 12時33分44秒 | Weblog
寝床で汗かきのよめはんが、最近とみに「暑い、暑い」と言う。
夏用のタオルケットから、いきなし冬用の羽毛布団に取り替えたせいかと思われる。
彼女の羽毛布団は、お姫さま仕様のすばらしいシロモノで、ふわふわフカフカこの上ない逸品なんである。
夜中にそれを蹴飛ばして、毛布一枚で寝てるものだから、風邪っぴき気味にもある。
見るに見かねて、オレが普段使ってる布団と交換してさしあげた。
オレの真綿布団は、よく言えば、肌になじむ年季もの、悪く言えば、しなしなの油揚げのようなくたびれ布団、なんである。
ところがそれをお召しのお姫さまは、「心地よいぞ」とおおせになる。
スカスカすーすーで、気持ちいいらしい(こういう布団もどうかと思うが)。
こっそりと市中に出た王様が、たわむれに乞食と服装を取り替えて民と交わり、満悦するの図、か。
とにかく、秋のうちはこのままお互いの布団を使用し合い、やがてすきま風が肩に這い入る冬場になると、おそらくみすぼらしい油揚げ布団は、下層の民に突き返されるのであろう。
それまでの束の間、ふかふか汗まみれでこの優雅な羽毛布団を楽しもうと思う。

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Y氏

2013年11月02日 08時45分58秒 | Weblog
頭の悪いひとをテレビ画面で観させられてる悲しみだけがあるよ。
陛下は、その手紙よりももっともっと深く被災地のことを考えておられるのだが・・・
怒りとか、不敬とかいうよりも、こんな迷惑なひとおるかな。
虚脱感だけがある。
これ以上「脱原発」に水を差さないように、おとなしくしててほしい。

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