よめはんが今週で会社を辞める。
いやー、このひとが辞めるときは、狂うか、死ぬかしたときだろうと思ってたけど、生きて退社することができそうだよ、あと何日かあるからまだわかんないけどね。
なにしろ、残業100時間を20年間し通した。
ひどい会社ではあったし、そういう時代でもあったが、よめはんの律儀で真面目な性格が自主的にそうしたのでもあった。
要領よく生きられないし、汗をかかされるわりに損ばかりしてたけど、それは彼女の誇りでもあろう。
オレもそのことを、いらいらやきもきとしながらも、尊くまぶしく見てたさ。
とにかく彼女は、倒れることなく、死ぬことなく、生き残った。
やりきった、らしい。
よっしゃ、これからは普通の生活をしようではないの。
思えば彼女は、生活というものをしたことがない。
朝起きてメシも食わずに出社し、終電で帰ってきた後にやっと晩メシを食い、シャワーを浴びることもなく寝る、という、ある意味信じがたい毎日だったんだから。
ひるがえって、家庭内の仕事は全部、ダンナであるオレがやってきたんだから。
家計も全部オレが賄ってきたんで、よめはんはほとんど「パラサイト」という状態だった。
自分が生きていられるその舞台裏に、どんなバックアップがあったかなんて、まったく知ることなしに、機械的に動いてきたにちがいない。
いわばよめはんは、ひとり暮らしをしてるオレん家に、無銭で居候してるようなもんだった。
だけど、これからはすべての仕事をやってもらうんだ、るるん。
よめはんは、ようやくここから生活というものを覚え、経済観念というものを学び、人間的な日々というものを味わうことになる。
これって、なんだかうらやましいくらいの新鮮な感覚ではないの。
あれに似てるな、35を過ぎてから瀬戸の田舎でひとり暮らしを許され職業訓練に通わせてもらったオレ自身の経験に(あの1年間だけは、よめはんも自分の生活ってものをしてたんだなあ)。
とにかく、生活は一変する。
人生の一大転換期ってわけだ。
よめはんはすでに、一生分を働いた。
これからはのんびりとやりたいことをしたらいいわ。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
いやー、このひとが辞めるときは、狂うか、死ぬかしたときだろうと思ってたけど、生きて退社することができそうだよ、あと何日かあるからまだわかんないけどね。
なにしろ、残業100時間を20年間し通した。
ひどい会社ではあったし、そういう時代でもあったが、よめはんの律儀で真面目な性格が自主的にそうしたのでもあった。
要領よく生きられないし、汗をかかされるわりに損ばかりしてたけど、それは彼女の誇りでもあろう。
オレもそのことを、いらいらやきもきとしながらも、尊くまぶしく見てたさ。
とにかく彼女は、倒れることなく、死ぬことなく、生き残った。
やりきった、らしい。
よっしゃ、これからは普通の生活をしようではないの。
思えば彼女は、生活というものをしたことがない。
朝起きてメシも食わずに出社し、終電で帰ってきた後にやっと晩メシを食い、シャワーを浴びることもなく寝る、という、ある意味信じがたい毎日だったんだから。
ひるがえって、家庭内の仕事は全部、ダンナであるオレがやってきたんだから。
家計も全部オレが賄ってきたんで、よめはんはほとんど「パラサイト」という状態だった。
自分が生きていられるその舞台裏に、どんなバックアップがあったかなんて、まったく知ることなしに、機械的に動いてきたにちがいない。
いわばよめはんは、ひとり暮らしをしてるオレん家に、無銭で居候してるようなもんだった。
だけど、これからはすべての仕事をやってもらうんだ、るるん。
よめはんは、ようやくここから生活というものを覚え、経済観念というものを学び、人間的な日々というものを味わうことになる。
これって、なんだかうらやましいくらいの新鮮な感覚ではないの。
あれに似てるな、35を過ぎてから瀬戸の田舎でひとり暮らしを許され職業訓練に通わせてもらったオレ自身の経験に(あの1年間だけは、よめはんも自分の生活ってものをしてたんだなあ)。
とにかく、生活は一変する。
人生の一大転換期ってわけだ。
よめはんはすでに、一生分を働いた。
これからはのんびりとやりたいことをしたらいいわ。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園