厳島神社で初詣の参拝を無事終えて登山に向かう計画でしたが、神社の舞台の周辺では午後1時から始まる舞楽の準備が進んでいました。時計を見ると40分程待つ必要があるものの、舞台の周りに観衆の姿はまだあまりなく絶好の位置を確保出来るようだったのでこちらを優先することにしました。舞楽とは舞を伴う雅楽のことで、インドで発祥し、中国、朝鮮半島を経由して奈良時代に日本に伝来したものと考えられているようです。厳島神社では四季折々の行事に際して舞楽が上奏されており、この日は二日祭の中で萬歳楽と延喜楽の2曲が上奏されることとなっていました。〔1月2日(水)〕
↓ 萬歳楽(まんざいらく)の舞です。四人舞で襲装束(かさねしょうぞく)は、袍(ほう)に片方の腕を通さない片肩袒(かたかたぬぎ)で着用し、鳥甲(とりかぶと)を被っています。
回り
↓ 萬歳楽は左舞(中国や中央アジアなどに主な起源をもつ舞楽)の一つで、楽隊は舞台左手の楽屋に陣取り、舞人も同じ楽屋から登場してきます。
↓ 四人舞で、先ず一人目の舞人が登壇しました。順次2~4人目の舞人が登壇します。
↓ 四人の舞人が揃いました。
↓ 舞人をアップで。襲装束や鳥甲の様子がよく分かるかと思います。
↓ 四人がよく揃った舞だと、隣で動画を撮影されていた方に教えて頂きました。
↓ 四人の舞は極めて優雅で、こうした舞は「平舞(ひらまい)」と呼ばれ、1~2人の舞人が闊達に動き回る「走舞い(はしりまい)」と対比されるようです。
↓ なかなかに重厚な襲装束と鳥甲を身に着けての舞です。
↓ 舞人の後姿にも興味が湧きました。
↓ 続いて延喜楽(えんぎらく)が始まりました。延喜楽は右舞(朝鮮や満州方面などに主な起源をもつ舞楽)のひとつで、舞台右手の楽屋に楽隊は陣取り、舞人もそこから登場します。
↓ 四人舞の最初の1人が登壇しました。襲装束は緑色で、萬歳楽と同じく鳥甲を被り、襲装束(かさねしょうぞく)に、袍(ほう)に片方の袖に腕を通さない片肩袒(かたかたぬぎ)で着用しています。
↓ 大きな舞で登壇のご挨拶といったところでしょうか!
↓ 四人の舞人が揃いました!
↓ こちらもなかなかに重厚な襲装束に鳥甲です。
↓ 延喜楽は左舞の萬歳楽の答舞(とうぶ)として、慶祝に用いられることが多いとのこと。この日もそのベストカップリングであったようです。
↓ 延喜楽も優雅な舞の「平舞」の一つです。
↓ 延喜楽のクライマックスのようです。陽光の下、見事な舞が続きました。
↓ いよいよ終演です。20分弱の萬歳楽、15分程の延喜楽、その間に中休みが入って約1時間の舞台した。