ブログにUPするか迷ったのだが、天皇陛下の生前退位の意向を聞き、書くことにした。
今を去ること43年前、新左翼/黒ヘル/ベ平連/全共闘であった私は、4月初め新3年生を本郷に迎えた学内集会の後、天気も良いことだしと、十数名で上野にお花見に出かけたのであった。
宴も終わり、一団で上野駅に向かう途中、東京文化会館横で交通整理をする警官に行く手を遮られた。まもなくすると、パトカーに先導され、黒塗りの車で皇太子夫妻がコンサートから帰る所に出くわした。突然行く手を遮られたこと、いつもデモで対峙する多数の機動隊員ではなく、数名の警官しかいなかったこと、こちらは十数人であったこと、けっこう酔っぱらっていたこと、そしてなによりもバカ(若)かりし頃であったことから、期せずして全員で「天皇制粉砕、税金ドロボー」と罵声を上げていたのであった。
時は経ち、戦争の影をずっと引きずってこられた昭和天皇が亡くなり、平成の世になってからも、国内外の戦死者を弔い、慰霊の旅を続ける現天皇を見ていると、43年前のあの罵声に対する悔悟の念が年々高まっていたのであった。
12日に、小網代の森で、天皇陛下ご一行を追い抜いた時はそうでもなかったのだが、引き返して、再度すれ違うのを待っている間、その時の事が思い出され、同じテラスで休憩する羽目になった時には、陛下のお姿を見ながら、心の中で数回43年後のお詫びを述べておいたのであった。
さて、このブログには、あまり政治的話題は書かないことにしているのだが、あのお疲れになった陛下の様子を見るにつけ、是非とも生前退位を実現させて上げねばならないと思う次第である。平和憲法を守り、生前退位により、この国の平和と天皇家の安泰を図って行きたい意向をお持ちの天皇に対し、憲法を変えるよりも、皇室典範を変えることはもっと大変困難だとのたまう現政権のあざとさにはあきれるばかりである。