高遠のお花見の代わりに来た六道堤、桜はまだ若いが綺麗に咲いていてしかも花見客が殆どおらず、快適であった。
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この六道堤の一角にさすらいの俳人、井上井月(せいげつ)の絶筆である「何處やらにたづの声聞く霞かな」の句碑が立っている。
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井上井月の俳句を高く評価していた芥川龍之介は、我家の庭を描いた小品「庭」において、「唯その頃この宿にゐた、乞食宗匠井月ばかりは、度々彼の所へ遊びに来た。」と井上井月を物語に登場させている。
せっかくここまで来たのだから、井月のお墓が近くにあると言うので、探してみる。
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百年前に作られたにしては、もう彫られた文字も読めない、小さなお墓が畑の中にポツンとあった。
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伊那地方では井上井月を讃える運動が盛んで、この墓や句碑を含め、多くの句碑が建てられているようだ。
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その内、時間があれば、これらの句碑を探して、走り回るのも一興かもしれない。
墓に刻まれた「降るとまで人には見せて、花曇り」までは行かないが、空の雲が切れることは無さそうなので、一直線で来た道を戻ることにした。
辰野、小野を過ぎ、善知鳥峠を越えて裏日本側に入ると、空の雲は無くなり、綺麗に晴れてくる。塩尻の南端、西条あたりから、夕日に輝く穂高連峰を眺めて、今日のサイクリングも終わり。
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走ったのはこんなコース102km。
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