中国に半駐在していた時、食堂に座った時に中国風お通しとして出てくる、煮た落花生はには慣れたが、ヒマワリの種には参ってしまった。全然殻が剥けないのだ。
街中では、失業した?暇な?男どもが、午後の日差しが残る椅子に座り、茶碗一杯のヒマワリの種を器用に剥きながら、ビールをチビチビ飲んで夏の一日を過ごしている。殻はその辺りに吐き散らしだが、誰も気にする様子はない。
中国人の従業員は器用に歯先で殻を割り、中身だけを口に入れ、殻は外に吐き出すことができるのに、不器用な生徒の私は、何回やり方を教わっても、口の中に殻の一部が残ってしまい、食べるのを諦め、注文した料理が出てくるのをただ待つのであった。
昨夏、庭にヒマワリを植えた所、すごく大きな花が咲いてくれた。
折角なので、種を採った。大量に採れた種の一部を塩を振り、フライパンで炒めてみた。これを一握り小皿の上に取る。
そして、ひたすら歯先で殻を割り、口ではなく、両手で中の実を取り出す。数十粒の種と格闘すること10分ほど。大量の剥いた殻とは比べようもないほど少ない、皿の上ヒマワリの実。
10数分かかって、ピーナツ3、4粒分のヒマワリの実が得られる。
味はピーナツとアーモンドの中間のような味と食感である。
これを午後のお茶請けとして食べれば、あのヒマワリの種とビールで暇つぶしをしていた、中国人失業者のような幸せな気持ちになれるのだろうか?