マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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南六条町北方三十八神社頭家渡し

2008年11月08日 06時52分02秒 | 天理市へ
天理市南六条町北方の三十八(みそや)神社の氏子社中は35軒で昔も今も数は変わっていない。

オヤとコと呼ばれる頭家のふたりは秋祭りの提灯をかたづけて役目を終える。

その三週間ほど前の9月23日、次の頭屋に引き渡す頭家渡しが行われる。

頭家の順は2年まえの振り上げ神事で既に決まっている。

17年回るたびに行われる振り上げは伊勢の代参で拝受されたお札で氏子名を記した紙を引き上げるもので次は平成36年になるという。

神殿や摂社に供える神饌は二尾のカマス、スルメ、コンブ、酒、それにナスやニンジンなどの季節野菜と決まっている。

三方にナンテンの箸が添えられている。

昼前、お茶碗と汁椀を入れた風呂敷を手に持って集まった氏子は、神主や区長とともに拝殿に登る。

今年の正月飾りはどうするかと、豆腐汁が配膳されパック御膳をいただきながら行事の課題を解決していく直会の場だ。

座中営と呼ばれる直会を終えた氏子はいったん家に帰り1時間後再び拝殿に集まってくるが、新旧の頭家4名は着物姿で現れる。

神殿に向かって拝礼したあと、旧2名の頭家は神殿側、新2名は向かい合って座り、中央に神主が座する。

三方に頭と尾に切断した二尾のカマス、酒、スルメ、コンブが載せられている。

儀式宣言が述べられると、神主はカマスをナンテン箸で摘んで頭家が差し出す紙皿に載せていく。

オヤには頭付き、コへは尻尾のほうと決まっている。

一年間の祭礼をオヤとコが協力しあって世話をしていくという考えで分かれているのだという。

旧オヤ、新オヤ、旧コ、新コの順に差し出される儀式はスルメ、コンブも同じように行われる。

一献の儀なのでしょうか、最後にお酒が注がれて一気に飲み干す。

目出度く頭家渡しの儀式が修了したことを、向かい側の席に座る氏子に奉告し、神饌のスルメ、コンブのお下がりを配られた。

新旧の頭家はこれで神事を終えたわけではなく、と呼ばれる一種の禊ぎをするため4名揃って桃尾の滝に向かっていった。

(H20. 9.23 Kiss Digtal N撮影)


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