マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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上・ナワシロジマイの泥田田植え

2018年07月17日 09時02分12秒 | 民俗あれこれ(四季耕作編)
本来なら翌日にされる庚申さんのさなぶり参りを拝見させてもらったF家。

家族は朝から田植えに忙しく動き回っていた。

あちらこちらにあるF家の田んぼ。

山側の棚田に小さな田んぼが点在。

平たんなら田植え機も入れやすいし、機械が動く範囲も平らだから仕事はしやすい。

ところが山間地ともなれば一定の形ではなく。

田植え機をどこに入れてどう植えるか。

その田んぼが終れば次の田んぼ。

そこへ行くにもどう移動していくか。

どう動くか、頭の中にある行程設計図通りに運転する。

いくつかの農家さんの田植えをみていてたいへんだと思った。

息子さんの手を借りて行ってきた田植え作業もいよいよ佳境に入った。

最後にする田んぼは家の真ん前である。

前日までは苗代田だった田んぼを起こす。

谷水を引いて水張りをするが、多くは要らない。



泥田程度になったところにトラクターを入れて掻き混ぜる。

狭い田んぼに数往復するトラクターは泥を掻いている。

代掻きであるが、何度も、何度もハンドルを切り返して往復する。

ある程度できあがったところでトラクターの役目は終わった。

これから始まる田植えにトラクターは無用。



狭い土地に角度のキツイ坂道。

曲がり方を誤れば危険なことになる。

何十年もそうしてきたから慣れはあると思うが、見ているほうがヒヤヒヤする。



そうして出番するフロート付きの、と思ったがそうではなかった手押し二条植えの田植え機である。

運転操作は息子さん。

幾度も支援してきたから慣れているのだろう。

トラクターを仕舞った親父さんはエブリで代掻き。

エブリで撫でるように泥田均し。

泥田を満遍なく均して泥田と水面を保つ。

息子さんが植える作業の間隙をぬって泥田均し。



その波模様が美しい。

均し方が上手いから波も綺麗になる。

端から上出した二条植え。



泥田に足をとられて操作がし辛い。

ぬかるみの田んぼはどこでも苦労されている作業である。

これくらいの広さであれば手植えする方が早いと判断されて母親とともに作業を切り替えた。



最後の一枚は手植え。

こうしてすべての田植えを終えた。

苗代田だった田んぼは田植えの場。

役目を終えたということで、この一連を「ナワシロジマイ」と呼んでいる。

丸一日の作業を終えたトラクターも田植え機もドロドロ姿。

勢いのあるホース水で洗い流して綺麗にする。

田植えの日の最後はどの農家でもしている作業〆である。

(H29. 6.11 EOS40D撮影)


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