マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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飛鳥弥勒探しにひび割れ土用干しをみる

2017年02月20日 09時45分56秒 | 民俗あれこれ(干す編)
今年の土用入りは7月19日。

それから数週間後にはカラカラ天気。

暑い盛りの真夏に干す民俗がある。

一つは衣服や書籍の土用干し。

いわゆる虫干しであるが食用の土用干しは梅干しである。

もう一つは稲作に欠かせない田の土用干しであるが、「土用干し」をネットで検索すれば圧倒的に引っかかるのが「梅干し」である。

田の土用干しはメジャーではない、ということだが、私にとっては農作における大事なことだと思っている。

水耕栽培に欠かせない田の土用干し。

この時期になればついつい稲穂がすくすく育っている水田を見て回る。

水田に水はつきものだが、カラカラに乾いているところはあるのか、ないのか。

明日香村にある弥勒石を探しにやってきた地である。

なんと、ここにあったのだ。



水田の水は堰を外して溜まっていた水を流す。

日照りが強い日が続けば乾くのも早い。

曇天どころか雨でも降れば田はなかなか乾かない。

何日もかけて田の天日干し。

カラカラに乾けばひび割れが発生する。

割れた文様は複雑。

この形が面白い。

割れた状態が写真的によくなければ他を探す。

あっちこっちの田んぼを見て回る。

畦地に入るのは田主の許可がいる。

たまたま近くにおられた田主さんに断って撮らせてもらった。

ここまでくるのに水を抜いてから一週間、いや十日もかかると云う。

探しているのは弥勒さんの行事日である。

土用干しのひび割れを拝見した田主は大字岡の人。

弥勒石がある在所は岡であるが、行事をしているのは大字飛鳥の人たちだという。

この場で大字飛鳥の人を探すのは難しい。

稲穂の水田がこの辺り一面にあるが、人の姿がまったく見えない。

仕方がないと諦めて近くにあった農小屋を目指す。



そこにあった干しもの。

カンピョウでもなく、水田でもなく、豆である。

農小屋の処に枝からもぎ取った豆がある。



カラカラに乾いて莢から豆が飛び出していた。

そんな状態の豆を撮っていたら単車で人がやってきた。

その男性は大字飛鳥。

ここら辺りは岡と飛鳥の境界線になるようだ。

ご主人曰くこの豆はトラマメ(虎豆)だという。

トラマメは蔓性のインゲンマメ。

文様の入り具合が虎に似ているからその名がついたそうだ。



莢から飛び出したトラマメはやや粗い網目のトーシでゴミなどを落とす。

綺麗に選別して煮豆にするという。

ちなみに農小屋の庇に置いてあった豆は昨年に採取した大豆で品種はツルマメ。

豆を取った残りの枝は焚き付けにする。

いろいろ教えてもらうご主人は大字の飛鳥。

弥勒さんの行事もしている役員さんだった。

おかげさんで農家二人の出会いがあったことから旧暦8月5日に行われている弥勒さんの行事日と時間などがわかった。

ありがたいことである。

(H28. 7.23 EOS40D撮影)


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