マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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額田部南方のダイジングサン灯明灯し

2014年04月18日 08時04分17秒 | 大和郡山市へ
「自宅横の大神宮の灯明は夕方の夜食を食べる前に点けます。その夜でなくとも構わないし、次の日でも良いんです。ある家では雨の日であれば、灯明箱の上にローソクを灯して手を合わせているそうです」と話していた大和郡山市額田部南方に住む婦人は送迎している患者さん。

なにかと教えてくださる。

「前日に灯明箱が届いきましたで」と連絡を受けて急な取材をさせていただいた。

ダイジングサンの廻りの灯明箱は南方の66軒が毎日送っている。

以前はもっと多くの家で廻していたようだと話す。

灯明箱の左右には月とお日さんを象った穴を開けている。

箱の下部はローソク立てがある。

古くなったことから新しく灯し台を取り付けたようだ。

出かける直前にローソクに火を点けておいた灯明箱をもって大神宮に行くご主人。

歩く距離は15mもないぐらいの短い行程はすぐに着く。

「太神宮 文政十年丁亥(1827)年 下村中 世話人 平等寺 石工佐七某」の刻印が見られる大神宮の石塔。

前の道を広げた際に土盛りをされた結果、土台部分が埋もれたそうだ。



木製の火袋を開けて3本のローソクを灯す。

ご主人曰く「三方良し」の意味であろうと云うが、その言葉は近江商人の考え方。

当地の謂れではないような気がする。

手を合わせて拝めばすぐに火袋を閉じる。



その様子を伺っていた婦人も大神宮にやってきた。

足が不自由な身である婦人は老人うば車を押してきた。



お参りを終えて持ってきた灯明箱は家に戻す。

ローソクの火は消えるまでそのままにしておくと云う。



翌日には隣家に廻す灯明箱。

「今晩、お願いします」と伝えて届ける。

西、北、東、南垣内の順で巡っていく廻り灯明箱は不在であっても玄関前に置いておく。

廻ってきた日が雨の日。

そうであれば当番の家で泊り。

床の間に灯明箱を置いてオヒカリをあげる家もあれば、あげない家もあるそうだ。

かつてあった伊勢参り。

まずは上の地区にある大神宮さんに参って、下の地区の大神宮に手を合わす。

大和中央道挟んだ西側の板東(いたひがし)の人たちもそうしていたと云う。

後日に拝見した北の地区の大神宮は北方の小字北町。

「太神宮 當内安全 文政十年(1827)□□ 願主 西谷 北早 西早 城垣内」の刻印があった。

城垣内は北町の南側だ。

ちなみに板東の大神宮は大和川堤防にある。

ほとんど文字が判別できなかったが「明治□□年」だった。

(H25.12. 9 EOS40D撮影)


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