マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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斑鳩町高安天満宮引き継ぎの座

2011年11月13日 08時21分26秒 | 斑鳩町へ
祭りを終えた人たちは神社から一旦引き揚げて家に戻る。

それから30分ぐらいも経ったであったろうか。

再び神社にやってきた上六人の長老と下六人。

上六人は羽織袴で下六人は浴衣のような白い和装に帯締め姿で再登場した。

拝殿の座には上六人にこれから引き継がれようとするこの日から勤める下六人の人たち。

平服の普段着であがる。

座の席に甘酒やレンコン、ゴボウを並べるのはお渡りをしていた下六人。

拝殿通路で立っている。

席に着けば上六人が挨拶を述べる。

この夜は上六人の数人が下六人を勤めていたので人数は合計で18人とはならない。

下六人を勤めた長老は上六人となって上がったのだ。

次の下六人には長老が一人ずつ竹串の幣を手渡される。

引き継ぎを受ける作法であろう。

下六人にお酒を注ぐのは接待する上六人。



実に複雑な構造である。

乾杯をしてしばらくは歓談の場となった引き継ぎの座。

30分ほどで終えた。

こうして祭りの引き継ぎを終えた上、下六人衆は帰っていった。

その人たちの話しによれば再び神社に向かってお渡りをするという。

先ほどのお渡りでは白の御幣を持ってきたが、今度は赤い御幣であるという。



24時を過ぎたころにやってくるお渡りを「アカツキ(暁)のお渡り」と称している。

盆地部ではとても珍しい行事の様相であり古式色が残される高安の地である。

(H23.10. 9 EOS40D撮影)