マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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馬司杵築神社の祭りの音色

2011年11月29日 08時38分01秒 | 大和郡山市へ
お渡りは大きな御幣を持つ礼服姿の自治会長を先頭に宮司、巫女。次に十人衆が並ぶ。

その後ろは総代ら役員が続く行列だ。

先ほど到着した太鼓台と神楽提灯とともに町内を練り歩く。

出発の際に発声された「トリオイの唄」。

行列が行われる最中もそれが発声される。

一老が発声する「オォーーー」に続いてお渡りの人たちは「オーー」と唱和する。

それは辻などでときおり発声される。

話によれば鶏を追うように発声をするのだという。

ゆっくりと練り歩くお渡りの後ろでは「よーいそれっ」と掛け声をかける法被姿の子供たちの声が聞こえる。

ドン、ドンと太鼓を打つ音に混じって聞こえる掛け声だ。

太鼓台や神楽提灯を曳く子供の声がより一層雰囲気を盛り上げる祭りの音色が町内に響き渡る。



その姿を一目見ようと巡行道中に現れる町内の人たち。

お礼をする姿も見られる。

10数分ほどかけて神社に辿りついた。



後続の太鼓台や神楽提灯も宮入りを済ませると秋祭りの神事が始まる。

本殿と拝殿の間に座った宮司、巫女、自治会長、一老、総代に曳行代表者。

氏子たちも拝殿で座って神事を見守る。

祓いの儀、献饌(三社)、祝詞奏上のあとに巫女神楽が奉納された。

厳かに舞う神楽は浦安の舞。



そのあとには参拝者一人ずつ鈴を振って祓われる。

地元の人たちはこれをその音色から「シャンコシャンコ」と呼んでいるありがたい鈴祓いである。

子孫繁栄、五穀豊穣を願った神事を終えればモチが配られて祭りを終えた。

お渡りをしていた人たちは祭りをまだ終えない。

土地改良区の2階会場に場を移して始まった直会があるのだ。

会場いっぱい広がって座に着く。

宮司と巫女がお酒を注ぎまわるのだ。

カワラケを持つ人たち。

そこに注ぐ金色の長柄の調子。

宮司は巫女に、巫女は宮司。



次いで自治会長へと注ぐお神酒。

まことに珍しい光景の一献の儀である。

労いの挨拶をされて乾杯をしたあとはパック詰め料理を食して1時間ほどは語らいの場。

こうしてようやく祭りを終えた一同は散会して戻っていった。

(H23.10.16 EOS40D撮影)