やわらかくゆらぎに満ちた生のコンポーネントは
透明なリンクを伸ばしてみずからをかたどり
不定形の本質において生の気圏を駆けていく
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ここにあるもの、ここにないもの
どこにもあるもの、どこにもないもの
ありうるもの、ありえないもの
あるべきもの、あってはならないもの
ほんとう-うそ
よい-わるい
きれい-きたない
意味と価値の境界線を確定するまえに
意味と価値の境界線を確定したあとも
透明なリンクは伸びていく
検証可能、検証不可能
記述可能、記述不可能
自明性、未規定性、両義性、多義性
既知と未知、カオスとノモス
一切をスコープに収め世界をマップする
理解のポッケに収めるために
心的にあつらえた時間座標と空間座標、固有の公理系
求めるもの求めないものをそのつど決しながら
しかし、つねに、すでに、その先に駈け出している
希望、いまここにない存在可能
絶望、反転としての存在不可能
できる-できない
わかる-わからない
活性-不活性
世界を区切る境界は深い霧につつまれている
結語をどこに結べばいいのかわからない
不定形──展開形としての本質
かたちを決められない
決めることを拒む触発とゆらぎ
記述の確定を急ぐものを否認する
基底にうごめく始原の意志がある
実存、未決の本質──外からの記述とすれちがう生の形式
不定形の形式においておのれをかたどる生のフォーメーション
どんな記述も射止めることができない
みずからの外へ伸びる
伸びつづけるリンクがそれを許さない
連結可能-連結不可能
エロスと恍惚ー不安とおそれ
予期と不安は走り、走りつづける
リンクは伸び、伸びつづけてゆく
みずからに生成するリンクをたずさえ、たずさえられ
未決において生の試行をめがけるものに
不可避的に湧き上がるものにことばを与える
somewhere in time
もっと遠くへ、海と空がまじわる彼方
リンクを伸ばし、帆を上げる
ロマンーアンチロマン
ことばの仮象性を知りながら
ことばを与え、未決にふさわしいかたちを定める
いまここにない、どこにもない
ありえない、そう思うことの彼方へ
ただ、みずからに無から有を生むことを求め
創発をみずからに仕掛けるようにリンクを伸ばす
死んでいった悲しみや愛や憎しみだけではない
いまここに、どこにもない、これから生まれるものへ
そこへつながる神聖なリンクをひそませておこうか