ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「そこで会おう」

2021-09-07 | Weblog

 

子は母を産むことができない──

ことばに教わり、ことばに従うのではない
ことばに教えなければならないことがある

ことばを産み、ことばを育て、ことばを手に取り、ことばを運ぶ
ことばが教えない、知ることも触れることもない、ことばの担い手について

    *

誓いは破られ 約束は反古にされ
地上はふたたび なんどでも
同じ感情 同じ生のかたちに引き戻される

リピートされる惨劇を目撃している
悲しい怒り、途方に暮れる朝に、告げなければならない

失恋の挫折、絶望は希望に先行できない──

    *

記述を確定するために記述するのではない
記述され確定されたものから逆算して生きるのではない

視線は変更されなければならない──

奏でられないかぎり聴かれない
聴かれないかぎり奏でられない

ただ、出会い、交わり、記述と記述を重ね合わせ
新たな視覚を生み、世界に新たな奥行きを加える

トレースされる世界、ループする時間
すべてを重ね合わせながら
新たな予期とまなざしが立ち上がる地平へ

 

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「don't cry」20210907

2021-09-07 | Weblog

                                                     The Honey Wind Blows - The Brothers Four - YouTube

 

 

── when the honey wind blows──

なにかがこぼれ出し
あふれ 決壊する

しかめ面した心のまま
まるごと連れて行かれる

イヤというわけじゃない
幸いということでもない

汲みつくせない
ことばが追いつけない

いちばん柔らかい場所に
なにかが深く溶け出している

吹きすさぶ静かなストーム

記述の外から訪れる
情動の 嵐のときがある

 

 

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「エポケー」2020907

2021-09-07 | Weblog

 

 

知覚する
感情する
思考する
推論する
仮説する
結語する
試行する

すべてが展開する地平はすべてに先行して開かれている
世界は心に顕現し、あらゆる対象は心に所与され
つねに、すでに、心は世界にまみれている

そうかもしれない、そうでないかもしれない
あれ、これ、それ、なに、どうして、どうしたら
かつて、いま、ここ、いつか、どこか

心が審議を凝らしはじめるより早く
つねに、すでに、色づいた世界は心に顕現し
心は世界に染まり、世界を抱き、世界に抱かれている

すべてが立ち上がる地平、すべてが展開する地平
深く沈められた「この世界!」という確信の地平

この世界の現われ、その意味と価値の諸相、連関はすべて
ただ「私にとって」「私において」という原理に貫かれている

この地平への視線をキープすることで明らかになること

「主観は主観の外に出ることはできない」
にもかかわらず〝客観〟という項は主観において立ち上がる

なぜか?
この問いに対する明晰な解答が導かれる

「生成として世界」「消滅としての世界」
そのただ一つの原郷──としての実存

この根源的原理性から世界経験をたどりなおす
ここから「客観世界」、関係世界の生成的本質を照らす

それは、世界記述の確定性、そこから実存を逆措定する倒錯の解除であり
世界記述の刷新可能性に開かれた関係世界を導く原理的方法を意味する

 

 

 

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